自動車整備工場の制作サンプル|設計の考え方

自動車整備工場のホームページを考える際に着目したのは、利用者が整備の必要性や価格の妥当性を、自分だけでは判断しにくいことです。

対応できる作業がわかっても、「納得して任せられるか」がわからなければ、相談に踏み切れない場合があります。

そこで今回は、川口市の整備工場を想定した「川堀モータース」の制作サンプルを通じて、利用者が判断するために必要な情報を、どのように整理したかをご紹介します。
https://jin625.com/sample01/

※本サイトは架空の事業者を想定した制作サンプルです。掲載している人物・会社情報・料金・指定工場の表記などは、実在する事業者の実績や認定を示すものではありません。

相談前の不安を考える

整備工場を探す方の目的は、車検の期限が近い、車から異音がする、傷を直したいなど、それぞれ異なります。

一方で、その背景には「何をお願いすればよいのか」「いくらかかるのか」「説明を理解できるか」という迷いがあると考えました。

例えば、異音に気づいていても、原因や部品名まで説明できるとは限りません。

車検でも、提示された金額に何が含まれ、どこから追加費用になるのかが不明だと、予算を考えにくくなります。

このような迷いに対して、事業者の技術力を伝えるだけでは、利用者の判断材料は十分に揃いません。

そのため、サイト全体を「対応内容を知る」「費用と進め方を確認する」「任せる相手を知る」「相談する」という順序で設計しました。

相談前に知りたい情報を揃え、車に詳しくない方でも検討を進められることを目指しています。

整備への姿勢を伝える

ファーストビューには、点検に取り組む整備士の写真と「確かな点検で、毎日の安心を。」というコピーを配置しました。

ここでは、整備そのものと、その先にある日常生活を結びつけています。

利用者にとって車を整備する目的は、通勤や家族の送迎など、必要なときに車を使える状態を保つことにあると考えたためです。

続く「当社の考え方」では、「車検の出費は、なるべく抑えたい」という気持ちに触れています。

ただし、出費を抑えたいという希望から、価格の安さだけを求めているとは限りません。

「必要な整備は受けたいが、理由のわからない出費は避けたい」という気持ちも想定しました。

そこで、車の状態を確認し、予算に合わせて必要な整備を説明する姿勢を伝えています。

「丁寧」「安心」といった言葉に、具体的な対応を伴わせ、何に安心できるのかを読み取れるようにしました。

困りごとに合う入口をつくる

サービスは「車検」「点検・整備」「板金・塗装」の3つに分けました。

この分類では、工場が行う作業の種類と、利用者が相談するきっかけを対応させています。

車検を受けたい方、走行中の不調が気になる方、外装の傷を直したい方が、必要な情報へ進めるようにするためです。

さらに、点検・整備のページには、オイル交換などの作業名とともに「異音・振動・警告灯の点検」を掲載しました。

作業名だけを並べると、原因がわからない方は、自分に必要なサービスを選べない可能性があります。

そこで、利用者が気づく症状も入口にしています。

板金・塗装では、小さな傷やへこみなど、損傷の状態を写真で示しました。

「板金」という言葉になじみがなくても、自分の車に近い状態から対応範囲を確認できます。

利用者が専門用語を理解していることを前提にせず、困りごとから相談先を見つけられる構成です。

費用の見通しを示す

車検では、費用の目安を車種区分ごとに掲載し、法定費用・車検基本料・検査や手続きの費用を分けて示しました。

金額だけを掲載すると、その価格に含まれる内容がわからず、追加費用への不安が残る可能性があります。

内訳と注意事項を合わせて示すことで、基本となる費用と、車の状態によって変わる費用を区別できるようにしています。

また、追加整備は、内容と料金を事前に説明し、了承を得てから進める想定です。

ここで伝えたいのは、費用の目安に加えて、利用者が依頼内容を確認し、判断できる機会があることです。

問い合わせたらそのまま作業が進むのではないか、という不安への配慮でもあります。

一方、板金・塗装は、損傷の範囲や部品交換の有無などによって作業内容が変わります。

そのため、一律の金額を示すより、状態を確認して修理内容と費用を案内する構成にしました。

サービスごとの価格の決まり方に合わせて説明し、相談前の見通しを持てるようにしています。

依頼後の流れを見せる

各サービスページには、車の確認からお引き渡しまでの流れを掲載しました。

特に点検・整備では、「症状を聞く」「状態を点検する」「整備内容と料金を説明する」「了承を得て作業する」という順序を示しています。

利用者が気にしているのは、工程の数だけではありません。

どの段階で費用がわかり、いつ作業をお願いするか決められるのかも、相談のしやすさに関わると考えました。

そのため、説明と了承の段階を明示し、利用者が判断するタイミングを見えるようにしています。

また、症状が出るタイミングや走行状況を聞くことも記載しました。

専門的な原因を説明できなくても、自分が気づいたことを伝えればよいとわかるようにするためです。

作業の流れを、工場の手順の紹介と、利用者が相談に備えるための案内の両方として設計しています。

人が見える会社案内にする

会社案内では、代表挨拶とスタッフ紹介を掲載しました。

技術的なサービスは、依頼前に仕上がりや対応を確かめにくいものです。

そのため、初めての方が検討する際には、対応する人や資格、説明への姿勢も判断材料になると考えました。

スタッフの写真は、来店時に接する相手をイメージするための情報です。

資格の記載は、専門性を確認するための情報として添えています。

さらに代表挨拶では、「少し音が気になる」といった段階から相談できる姿勢を伝えました。

資格や技術の情報と、話しやすさにつながる情報を合わせて示しています。

所在地や営業時間、対応エリアも重要です。任せたいと思っても、生活圏から遠い、利用できる時間が合わないといった条件があれば、依頼は難しくなります。

人柄・専門性・利用条件を一緒に確認できる会社案内を目指しました。

質問から相談につなげる

よくある質問は、サービスごとに内容を変えています。

車検では追加料金や代車、点検・整備では症状が毎回出なくても相談できるか、板金・塗装では小さな傷や見積もりだけでも相談できるかなどを取り上げました。

これらは、相談前に確認したい条件であると同時に、「自分の相談を受け付けてもらえるか」という迷いへの回答でもあります。

例えば、小さな傷を直したい方は、対応可能かだけでなく、その程度の相談で連絡してよいのかを気にするかもしれません。

FAQでは、そのためらいに具体的に答えることを意図しています。

その後に問い合わせへの案内を配置しました。

疑問への回答を読み、相談を検討したところから、連絡先を探し直さずに進めるようにしています。

ただ問い合わせボタンを置くだけでなく、そこへ進む前の迷いを解く情報を用意した構成です。

まとめ|暮らしに近い整備工場を目指して

今回のサンプルでは、利用者が知りたいことを、相談前の順序に合わせて整理しました。

どんな困りごとに対応しているのか。費用はどのくらいか。誰が対応し、どのような流れで進むのか。

こうした情報を具体的に伝えることが、初めての方に工場を知ってもらい、相談を検討していただくための土台になると考えています。

クエルネオ・デザインでは、事業者の強みや対応内容を整理し、お客様が相談先を選ぶ際に必要な情報が伝わるホームページづくりを大切にしています。