飲食店向け居抜き譲渡サービスのロゴ制作について

今回ご紹介するのは、飲食店の居抜き譲渡サービス「まるっといぬき」様のロゴ制作についてです。

本記事では、完成したロゴの見た目そのものよりも、どのような前提整理と判断を経て、
この形に至ったのかを中心にまとめています。

ロゴは「かっこよさ」や「可愛さ」だけで評価されがちですが、実際のサービス内容やターゲットと噛み合っているかどうかが最も重要です。

その点を意識しながら制作を進めました。

ご依頼の背景とサービスの前提整理

「まるっといぬき」様のサービスは、飲食店を手放したい個人事業主と、これから開業したい方をつなぐ居抜き譲渡サービスです。

このサービスには、年配の飲食店経営者と、若手の開業希望者という 年齢や立場の異なる利用者層 が存在します。

そのため、どちらか一方に寄りすぎず、安心感と親しみやすさ、そして直感的にサービス内容が想像できることがロゴに求められました。

クライアント要望から読み取った重要なポイント

制作前にクライアントから共有された要望は次の通りです。

・秋田犬の顔を中央に配置したい
・尻尾をイメージした円で囲みたい
・「いぬ」は“居抜き”の言葉遊びとして色を変えたい

これらは単なるデザイン的な希望ではなく、サービスの特徴や名称の意味を視覚的に伝えるための重要なヒントでした。

ロゴは可愛さだけでなく、サービスの本質が直感的に読み取れることを前提に設計を進めています。

デザインの設計方針

本ロゴでは、単体としての美しさよりも、サービス内容が説明なしでも伝わるかどうかを重視しました。

加えて、初めて見る人が「難しそう」「堅そう」と感じない、心理的なハードルの低さも重要な軸です。

これらを踏まえ、派手な装飾を足すのではなく、シンプルで意味が伝わる構造を選びました。

モチーフとして「秋田犬」と円形を採用した意図

ロゴ中⼼のモチーフには、秋田犬を採用しました。

秋田犬は日本的でありながら、忠実さや親しみやすさ、安心感を感じさせる象徴的な存在です。

居抜き譲渡という「お店を手放す」「引き継ぐ」という少しデリケートなテーマに対して、このモチーフは 感情的なハードルを下げる役割を果たします。

また、秋田犬を囲む円は、しっぽの動きをイメージした形にしています。

この円は、すべてを包み込み「まるごと引き受ける」というサービス名のニュアンスを視覚的に補強するものです。

使用シーンを見据えた確認

完成したロゴは、Webサイトやチラシ、サービス紹介ページなど、さまざまな媒体での使用を想定しています。

特にスマートフォンの小さな画面で見た場合でも、一目で「居抜きサービス」であることが伝わるよう、秋田犬の表情や円形のまとまりが崩れないバランスを意識しました。

線の太さや全体の構造は、その前提で調整しています。

また、「いぬ」の文字を赤にすることで、視線が自然と集まり、サービス名としての印象が残りやすいよう工夫しました。

まとめ|目指したのは「説明しなくても安心できるロゴ」

今回のロゴ制作で最も重視したのは、派手さや個性を追うことではありませんでした。

「居抜き譲渡」というサービス内容が直感的に伝わること、そして年配の方にも若い方にも心理的な距離を感じさせないことをゴールとして設計しました。

そのために、形・モチーフ・色使いを丁寧に整理し、説明しなくても安心感が伝わるロゴを目指しています。

ロゴはサービスの入口です。
その入口で構えさせないことこそ、今回の最大の設計判断軸でした。