建設業ロゴ制作の考え方|法人化を前提にした記号の整理

今回ご紹介するのは、
建設業を営む「株式会社海老原建設」様のロゴ制作についてです。

本記事では、完成したロゴの見た目そのものよりも、
法人化という節目において、どのような前提整理と判断を行ったかを中心にまとめています。

ご依頼の背景と法人化の前提整理

今回のご依頼は、
個人事業から法人化するタイミングでのロゴ制作でした。

ロゴの主な使用用途は、

  • 名刺
  • ヘルメット
  • 道具類

といった、現場で日常的に使われるものが中心です。

将来的には、

  • SNS(Instagram)などのアカウント画像

としての使用も想定されており、
小さなサイズでも成立することが前提条件としてありました。

業種(建設業・鳶職)から見えた重要なポイント

業種は建設業(鳶職)。

そのため、
柔らかさや親しみやすさよりも、

  • 現場での視認性
  • 一目で分かる力強さ
  • 長く使っても古くならない印象

を優先する必要がありました。

また、
個人ではなく 「法人として名乗る」 以上、
一時的な勢いや装飾ではなく、
記号として安定することが重要だと考えています。

ロゴを「現場使用前提」で考えた理由

今回のロゴは、

  • ヘルメット
  • 道具
  • 名刺

といった、使用条件の厳しい媒体が前提です。

そのため、

  • 細かい装飾
  • グラデーション
  • 色数に頼った表現

は避け、
形そのもので成立する構造を軸に設計しました。

汚れや傷がついた状態でも認識できることを、
重要な条件としています。

モチーフとして「円形」を採用した考え方

全体の形状は円形をベースとしています。

これは、

  • 日本的な家紋を想起させる安定感
  • 建設業に求められる「信頼」「継続性」
  • ヘルメットなど曲面への載せやすさ

を考慮した結果です。

一方で、
単なる円ではなく、
内側の構造や切れによって、
力の流れを感じさせる形になるよう調整。

中央に「海」を配置した理由

ロゴ中央には、
社名の一部である「海」の文字を配置。

文字をそのまま置くのではなく、

  • 図形としても成立する形
  • 遠目では記号として読める構造

になるよう整理しました。

これにより、

  • 近くで見ると文字として認識でき
  • 離れるとシンボルとして機能する

二重の読み取りが可能になっています。

単色・黒を基調とした表現について

配色は、
現場使用と再現性を考慮し、黒を基調としています。

  • 塗装
  • 印刷
  • デジタル表示

いずれの環境でも、
同じ印象で再現できることを重視。

力強さは出しつつも、
過度に威圧的にならないよう、
線の太さや余白でバランスを取っています。

完成ロゴと使用イメージ

完成したロゴは、

  • ヘルメット
  • 名刺
  • 道具類
  • SNSアイコン

といった用途でも、
視認性と存在感を保てる構成となっています。

法人として名乗る場面でも、
違和感なく使い続けられることを確認しています。

まとめ|目指したのは「現場で機能する記号」

今回のロゴ制作で目指したのは、
デザイン性を前に出すことではなく、
現場で機能し続ける記号でした。

法人化という節目にふさわしく、
長く使われることを前提に、
形と構造を整理しています。

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