Amazonのレビューでよく、「内容が抽象的で具体的に書かれていないので買う価値なし」といって、☆ひとつ付ける人をよく見かけます。
親切丁寧に事細かく詳しく書かれているのが良い本という解釈。
つまり、自分で文章を読み込んで考えるということを放棄している状態。
私もかつてそうだったから、言いたいことは良くわかるんですが、自分で考えるという思考力がないと、いつまでたっても「具体的に教えてください」と言い続け、進歩しないんですよね。
窮地に追い込まれて考えるという体験をしていないので、いくら思考力が大事だと教えても、永久に分かり合えるということは難しい。
そこで、私が思考力が大事だと気付いた体験をご紹介します。
きっかけは簿記1級
印刷会社を辞めた時、30代後半だったので就職活動も上手くいかなかったことから、職業訓練校に通います。
そこで、簿記を受講します。
10年以上経理のブランクが開いていたのが理由です。
簿記は一般的に、取っつきづらい印象があります。
例えば、仕訳で借方・貸方とあるのですが、「現金が増えのたに、なんで借りてもいないのに借方計上するんだ」とこんがらがってしまうんですよね。
これって、頭のいい人ほど考えてしまい、苦手意識を持つ一番の理由と言われています。
私は、記号として見ていたので、深く考えずにいました。
パターンを覚えれば面白いように問題が解け、ゲーム感覚で勉強していました。
私が受験した1995年当時の簿記2級は、徹底的に過去問を解き、パターンを覚える勉強法。いわゆるテクニック重視の試験でした。
久しぶりに基礎から簿記を学習していく内に、かつての思いが甦り、簿記1級の勉強に取り組みます。
これまでと同じような要領で試験に挑むも見事に撃沈。
過去問のパターンを理解しただけではダメでした。
各論点の本質を理解していないと、違った角度で出題されるとお手上げ状態。
1級に「意思決定会計」という論点があります。
簡単にいいますと、銀行から融資を受けて設備投資をした場合、採算がとれるかどうかシミュレーションするものです。
テクニックではなく、本質を理解していないと問題が解けないことがよくわかると思います。
そこで始めて、思考力が重要であると気付かされます。
テクニックを追い求めていても意味がない
思考力はあくまでも、簿記の学習において必要であると勝手に解釈してしまい、また、テクニックを追い求めてしまいます。
それは婚活とアフェリエイトです。
「早く結婚しなければいけない」と焦ってしまい、恋愛系の情報商材を買い漁っていました。
テクニックの中の一例として、初デートにおける席の座り方というのがあります。
対面で座ると緊張して話が弾まないというものです。そこでオススメされているのが「横並び」や「L字型」の席。
要は横並びやL字型の席だと、肘が当たるといったスキンシップが意図的に行われ、親密度を上げるというもの。
いくらシチュエーションにこだわっても、自分に自信がないから空回りを繰り返してしまう。
まず、自分の弱さを受け容れるべきでした。
その結果、相手にも優しくなれる。
そこにテクニックは関係ないんですよね。
アフェリエイトも同様で、SEOとかライティングといったテクニックを重視して、本質を失っていました。
そこでようやくわかります。
自分で考える思考力がなければダメだということに・・・
点が線につながった瞬間です。
なぜ、中高年が思考力を軽視してはいけないのか
「働き方改革」によって副業が解禁され、会社の給料以外のキャッシュポイントを真剣に考えている人も増えていると感じます。
終身雇用の崩壊や外国人労働者の進出と不安がよぎる中、簡単に稼げるといった話に心が奪われがち。
「お前とは違うよ」と思うかもしれませんが、心が弱っていると冷静に判断することが出来なくなり、安易な情報に引っ掛かってしまうケースがあります。
ネットの世界では、良心を持たないサイコパスが手ぐすね引いて待ち構えています。
20代30代であればまだ大丈夫ですが、40代を超えた私たち中高年は、精神的なショックが大きい。
そうならないために重要となるのが、本質を見極める思考力なんです。
まとめ
私の失敗談を踏まえて、テクニックではなく、思考力の重要性を紹介しました。
現在は、情報が氾濫しており、何を信じたら良いかわからない状況です。
自分で考える習慣が非常に大切であると痛感しています。
頭でわかっていても、すぐに変えることは難しいので、少しづつ意識してみてはどうでしょうか。