映画『シャイニング』の抽象的な表現を考察しました




ネタバレ含みますのでご注意ください。

 

今でも、ホラーといえば『シャイニング』と言われるくらい有名で、ホラー映画としての完成度は高い。

 

映像的にも、双子の少女の佇まいとかエレベーターから血のような赤い水が流れ出すシーンはインパクトがあり、とても印象的です。

 

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=CMbI7DmLCNI

 

しかし、鑑賞して???って部分も多く、意味不明と感じてしまう作品でもあります。

 

キューブリック品の特徴として、あえて抽象的に作っていることから、全て順序だてて捉えようとすると混乱してしまいます。

 

この『シャイニング』においても同様で、ストーリーを追うというのではなく感覚的に楽しむといった感じです。

 

だから、自分の感性で鑑賞して、最終的に何が何だか解らない!となってしまうのが、キューブリックの狙いでもあります。

 

意図的に、わかりづらくしている作品なので、私なりに考察をしましたので参考にしてください。

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ジャックが写った写真は何を意味しているのか?

ラストの写真を理解するうえで、まず、『シャイニング』は、ジャックの妄想と悪霊がホテルに存在したという2通りの見方が出来るように作られています。

 

そこで、2つの解釈からラストの写真について、考察していきます。

 

ジャックの妄想であった場合

この視点で捉えると、前半と後半で内容が違っていることがわかります。

 

後半のジャックが狂った言動は、小説の内容を思い描いた妄想なんですね。要するに、狂ってるジャックは自分で考えた設定なんです。

 

ジャックは小説のアイデアに息詰まった状況にいた。

 

例をあげると、ホテルに来て1ヶ月目、ウェンディとダニーが外で遊んでいるあたりで、ジャックは世間から孤立したホテルを舞台にしたホラーを思いついたわけです。

 

また、ジャックはホテルに着く前から、精神的に病んでいた。

 

作家に専念するために、教員を辞めるが、思うように仕事も上手くいかない。

 

ウェンディは、酒を飲んでいたことからダニーにケガを負わせたとを責め、禁酒をしなければ離婚と突きつけられたりと、ストレスが溜まり、現実逃避を願っていたジャックの妄想とも捉えることができます。

 

社会や家族に対して、自分の居場所が持てなくなり、孤独になっていった男が次第に狂っていく。

 

作家という職業が、別の領域に足を踏み入れていく感じをキューブリックは表現したかったのではないか?

 

そのことから、ラストの解釈は、あの写真こそが、ストレスを抱え八方塞がりの状況で生きる自分と比べて、周りに囲まれて、幸せそうな笑顔の自分と風貌が似ている男の姿に、現実逃避をした引き金だったとする。

 

いわゆる種明かしの写真だと解釈できる訳です。

 

そうなると何で、ウェンディやダニーにも悪霊が見えたのかとなるわけですが、それは閉鎖された空間から連鎖された群集心理によるものと捉えることができるからです。

 

悪霊が本当に存在した場合

冒頭のジャックが、初めて訪れたホテルなのに、昔訪れたことがあるように感じるといったセリフから、ジャックがかつてホテルの管理人をしていた人物の生まれ変わりだという解釈ができます。

 

それはわかりやすく言うと「ジャック・トランス」という人物が2人存在していたという意味です。

 

さて、そこでそれを証明するカギを握るのが「グレイディ」です。

 

ホテルのオーナー・アルマンとの面接で、ホテルで惨劇を引き起こした人物として説明したのが「チャールズ・グレイディ」です。

 

そして、ホテルのバーで幽霊としてジャックの前に現れたのが、「デルバート・グレイディ」です。

 

ここで、グレイディの存在が2人いるだということが明らかになります。

 

ホテルのバーで、ウェイターのグレディがジャックにぶつかり、ジュースを服にこぼしてトイレで交わした会話で、双子の娘を殺害した覚えがないと答えていることからもわかります。

 

これをジャックに重ね合わせてみますと、1921年に撮影されたパーティの写真で、タキシードを着て誇らしげにしているのが前世のジャック。

 

最後、ダニーを追いかけ迷路で凍り付いたのが現世のジャックです。

 

また、ジャックのことをロイドやグレディは共にトランス様と呼んでいることから、彼らの上司にあたることを意味していることがわかります。

 

つまり、ジャックは前世の生まれ変わりで、ホテルに巣食う悪霊によって、引き寄せられたということです。

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ジャックが狂った理由

悪霊がホテルに存在していたという解釈で考察します。

 

息子のダニーには、タイトルにもなっている“シャイニング(輝き)”という予知能力のような不思議な力を兼ね備えています。

 

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=CMbI7DmLCNI

 

ホテルの悪霊たちは、ダニーが持っている不思議な力が手に入れたいために、ジャックを利用します。

 

仕事も環境を変えて一念発起したところ、執筆活動も思うようにはかどらず、現実は不安と孤独で押しつぶされ、家族ともギクシャクして、精神的に限界に達し、まさに悪霊たちにとっては恰好のえじきでした。

 

悪霊は、ジャックに家族を殺させようと色々幻影を見せ感情を揺さぶります。

 

それは愛のしつけだと説き伏せられ、更に禁酒をしていたジャックに、あえて酒を勧め、泥酔状態にさせます。

 

実際にお酒は置かれてなく、酔わせたように洗脳をかけていた。それによってジャックは、次第に思考がおかしくなっていきます。

 

なので、自ら望んでおかしくなったのではなく、悪霊たちの毒気に捕らわれてしまったということです。

 

引用元:https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=WDpipB4yehk

ジャックが寝起きに鏡に向かって舌を出した理由

ウェンディが寝室に朝食を運んできて、起き抜けのジャックが鏡に向かって舌を出すという行動は、鏡に映った姿をとらえていて、お昼近くまで寝ていたことに悔しがるといった一見すると本編とはまったく関係ないように見えるシーンですが、実は伏線となっているんです。

 

ちょうどホテルに来てから1ヶ月が過ぎ、ジャックの生活スタイルが夜型にシフトしたことによって、ウェンディとの間に、少しずつズレが生じていることを意図的に表現しています。

 

また、ジャックがあえて舌を出したのは、ウェンディとの約束で禁酒して、ストレスからお酒を飲みたいという願望を暗示していると見ることも出来ます。

 

後、ジャックが映っている鏡は、ダニーがウェンディに危険を知らせるために、あえてREDRUMとドアに書き、鏡に映ればMURDERと表示されるようにしたものです。

 

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=FLjixsUEj5E

 

これは、お酒の誘惑に負けたジャックが、家族を殺そうとする意味として伏線の回収をしています。

 

ちなみに、REDRUMは「赤いラム酒」、MURDERは「殺人」です。

まとめ

やはり『シャイニング』は、他のホラー映画と比較しても、抽象的です。

 

例えば、ジャックの狂気は、悪霊に洗脳された場合と精神錯乱による妄想と両方捉えることができる描き方をしているからです。

 

そして、ラストの写真は、キューブリックが、「この映画はサスペンスではなくホラーなんで、みなさんの解釈は間違っていないから安心してしてくださいね!」と頭が混乱している観客に伝えるためのメッセージだと感じました。

 

また、スティーブン・キングの原作はそのような話ではなく、ジャックが徐々に精神が病んでいき凶行に至る描写がちゃんとあります。

 

だから、作品の意図が違うことから嫌いらしいですね。

 

でも、スティーブン・キングは、自分の子供が原稿に落書きをされた感情がキッカケで『シャイニング』のアイデアが思いついた経緯があると言っていることから、キューブリックの解釈もあながち間違っていないと思います。

『シャイニング』が観れる動画配信サービス

『シャイニング』が観れる動画配信サービスを表にしてまとめましたので、参考にしてみてください。

動画配信サービス 料金 お試し期間 公式サイト
Amazonプライム 325円(税込) 30日
U-NEXT 1,950円(税抜) 31日
hulu 933円(税抜) 14日
dTV 500円(税抜) 31日
ビデオマーケット 500円~(税抜) 初月無料
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