映画『宇宙戦争』中年オヤジを演じたトム・クルーズも悪くないです




ネタバレ含みますのでご注意ください。

『マイノリティリポート』のスティーブン・スピルバーグとトム・クルーズのコンビによる第2作目。

トム・クルーズは『ミッション:インポッシブル3』の撮影予定を蹴って、『宇宙戦争』の撮影に望んだといわれています。

本作は数多くのスピルバーグ監督作品の中でもとりわけ好きな作品。

公開された当時は「暗い」「スピルバーグ監督らしくない」と批判されたが、改めて今観返すとこれは明らかに『9.11』をイメージしたものである。

いつもと変わらないニューアークの朝、街は突然異星人の襲撃を受ける。

人々が次から次へと攻撃されていく脇を逃げまどう主役のレイは、この骨の粉砕により身体中「灰」だらけ。

敵はシールドでカバーされアメリカ軍の反撃も太刀打ちできない。
これらの光景は2001年9月12日夜のニュース映像として観ていた。

まさに「映画と同じような」映像を。

スピルバーグ監督もこの悪夢を異星人襲撃に置換たのは間違いない。

ストーリーとしての面白さ、ハッタリをかました展開はスピルバーグならでは!

トム・クルーズのダメパパぶりも板についており、普段のイメージとのギャップがあって面白い。

そんな『宇宙戦争』のあらすじと感想をご紹介します。

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あらすじ

アメリカニュージャージー州で、港湾でコンテナ作業の仕事をしているレイ ・フェリエ(トム・クルーズ)は、別れた妻と一緒についていった2人の子供がる。

子供たちとの関係は決して良好ではありません。

ある日仕事から帰ってくると、別れた妻が訪ねて来て、ボストンの実家に行っている間子供たちを預かってほしいと頼まれます。

長男であるロビー(ジャスティン・チャットウィン)はレイに対して軽く見ており、また娘のレイチェル(ダコタ・ファニング)はヒステリックな態度をとることから、呆れ果てていた。

その頃晴れていた空が雲に覆われて、雷が続けざまに落ちます。

ところが、同じ場所に度々落ちたこともあって、彼が確かめに行くと、道路が陥没していた。

車のエンジンも雷によってショートしている。

見ると地面が割れ出し、陥没した穴から巨大な三脚歩行をしたタコと似た宇宙船『トライポッド』が出現。

レーザー光線を使い、人々を次々と殺害し町を破壊する。
攻撃受けた人々はすぐさま粉々となり、レイはその粉で真っ白と化します。

慌てて家に戻ってきたレイは、粉をふるい落とし、冷蔵庫にあるわずかな食料と、銃を手にし、ロビーとレイチェルと一緒に家から出て、修理が終わった車を物色して、すぐにその場を離れます。

レイは何だかんだと泣き出すレイチェルをなだめ、ロビーたちが暮らす家にいきます。

レイは妻を待ちますが、彼女はボストンから戻りません。地下室で休むレイ達は、真夜中に大きな音を耳にします。

その物音というのは、旅客機が墜落する音だった。

川からでは多くの遺体が流れ、レイは別れた妻がいるボストンへ車で向かいます。

しばらくすると軍隊が隊をなしながら運転いくのを目にしたロビーは、自分も参加したいと訴えかけますが、レイは認めません。

また車に乗り、運転しますが、フェリー乗り場で暴徒に車を奪われるという事件がおきます。

車がなくなった彼らは、フェリーに急いで乗って、現場を後にしますが、そこに数多くのトライポッドが現れ、絶え間なく攻撃を続け、船は沈み、レイたちは全力を傾けて対岸へ泳ぎきります。

胸を撫でおろしたのもつかの間、ロビーは攻撃を行う軍隊を目にして高ぶったのか、自分も軍隊に加わると言い放って、父と妹を置いて別れます。

ロビーを説得しようと娘から離れた隙に、レイチェルは心配をした大人から何度も声がけをされます。

あと少しで連れて行かれそうになったところをレイが保護します。

トライポッドの襲撃をさけていたところ古びた住居から男が手を差し伸べて家の中に入って、夜を過ごします。

そこに、トライポッドの触手がやってきて、探索をします。

鏡などを活用して、切り抜けると、普通ではない雰囲気の男に不安感を持ったレイは、娘を守ることから彼を殺します。

そこで2人が眠りについたところ、トライポッドの触手が現れ、レイチェルがさらわれてしまう。

レイは娘を救出するためにと、自らトライポッドに捕まります。

ちょうどトライポッドに飲み込まれそうになっているレイチェルを、同じように捕らわれている人たちと力を合わせて助けて、それと引き換えに手榴弾を飲み込ませると、トライポッドは爆破します。

レイはレイチェルと一緒にボストンに向かいます。

ボストンの避難所で待機をしていると、カラスがトライポッドにたかっていることに気がついて、居合わせた軍の指揮官にその状況を話し、軍隊はトライポッドに総攻撃を行います。

そうして崩壊するトライポッド。

レイとレイチェルは妻がいる実家に着き、ロビーと再会する。

宇宙からきた侵略者は、地球の空気を吸ったことから対応することができず、自ら自滅したのであった。

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テーマは『家族愛』です

トム・クルーズ演じるレイと2人の子供との関係はギクシャクしていて、仲が良いとは言えないという設定でスタートします。

平凡な労働者の中年男性が宇宙人による地球侵略といった大事件に巻き込まれるが、彼自身が率先して宇宙人と戦うこともなく何が何でもやりぬいたのは、二人の子供を別れた妻が滞在しているボストンへと送り届ける事だけであった。

それが地球の非常事態の中で、子供たちを命を懸けて守る父親へと成長していく。
そんなトムクルーズの演技もいいですね。

娘を演じるダコタ・ファニングのちょっとヒステリックな表情も最高。
けれども、映画が終わる頃には感情の変化が出始めているのです。

これは、パニックから芽生えた家族愛といえるかも知れません。

中年男性の視点から観るとトム・クルーズのお父さんの気持ちがとても共感しますね。
娘がパニックになって抑えきれず騒ぎ過ぎるのもリアル。

結果として家族がみんな無事であることは、監督の気遣いかな?
だけど、ちゃんと恐さは残りますね。

そのことが今の時代には大事かな。

この『宇宙戦争』はパッと見、単なるパニック映画。

だけどそのパニックが要因となって生まれた家族愛が正に、この『宇宙戦争』のテーマであり監督が私たちに伝えたい想いなのであろう。

普通の中年オヤジを演じたトム・クルーズも悪くない

いつもイメージするあのカッコイイトム・クルーズじゃない。
まず、家事ができない。

妻に愛想を尽かされて離婚し、あげくの果てには、子供たちとも上手くいっていない。
どこにでもいる普通のオッサンですね。

ダメ父親なんだけど、それがなにより面白い。

ダメなんだけど、窮地に立たされた場面では、力を振り絞って父親としての威厳を発揮するのがすごい。

段階を踏んで、理想的な父親になっていくところもいいですね。
さて、テッドポッドが突如出現する。

人間では手も足も出ない。では、トムクルーズは怖れをなして逃走したのか。違います。

全く違う。あのダメな父親はどこへ行ったのか。家族をただ守るために、彼ができる範囲で戦う。

時として人の車を盗んだりすることはいただけない部分ではあるけど、たぶん、世のお父さんたちが、同じような状況に直面した際どうするのだろうか。

逃げてしまうのか。それとも立ち向かうのか。

日本は、地震や台風といった自然災害が間髪なしで起きている。そんな日本人にとって是非とも見るべき映画です。

大災害が起きた際の描写が非常にリアル

ラストの終わらせかたに宇宙人の目的がはっきりしないといった酷評されていますが、この様なあいまいなところが作品の恐怖と現実感を高めている。

人類すべての立場から考えると、トライポッドがいつ頃から地球に存在していたのか、宇宙人がどういった形で来襲したのか、目的は一体なんなのか?すべてを推測するしかないのですから。

元々戦争やテロといったものは、相手が例え人間であろうが宇宙人であろうが一般人さっぱりわからないものです。

9.11や第二次世界大戦が起きた本当の意味を説明しろと言われても、多くの人はまず説明できないですよね。

そういった意味で、この映画は宇宙人という設定にも関わらず非常にリアルです。

むしろ全部情報と説明がないと満足しない人には合わない映画だと感じました。

冒頭での「監視されていた」というナレーションでさえ、人類の憶測に過ぎないです。

宇宙人にかんしていえることは、21世紀の時代にトライポッドが突然やってきたのではなく、はるか昔に、トライポッドと一緒に冬眠状態で地球に飛来した。

当時の地球は、宇宙人が自分達が住みやすい環境に変換するための生物資源がなかったから、シミュレーションで生物が飽和するであろう21世紀を想定して目覚める設定をした。

そして21世紀の現代にトライポッド作動。
その影響から、世界各地で異常気象が発生。

宇宙人は活動ができるリミット前に地球を改造することを目的に、地球の改造を急ぐのだが、もはや地球は優れた科学をもつ宇宙人の予想を上まわるくらい最悪な環境に汚染されていたというところ。

アメリカの強大な軍事力と比べて人類が共存し対処してきた病原菌やウィルスに守られといった設定には、自然を大事に考える日本人に共感できる。

やっぱりスピルバーグ監督は凄い

スピルバーグ監督作品の中で、個人的には傑作のひとつとしてあげたい。

『宇宙戦争」というSFファンの間では誰もが知ってる名作を、大迫力の映像と、暴力的ともいえる演出によって文句無しの出来映え。

トライポッドが街や世界をぶち壊していく描写だけに限らず、圧倒的な力を相手にした絶望感が、これでもかと叩きつける。

このスリル感と、容赦のない緊張感は『激突!』を想い浮かべました。
しかし、そんな状況から逃げ惑うトム・クルーズ引きいる家族の逃亡劇。

この家族の緊迫とした中での濃縮された人間ドラマ。

『激突!』では全く描かれることがなかった人間ドラマが、さりげなく描かれている。

『未知との遭遇』、『E.T.』でフレンドリーな宇宙人を描いてきたスピルバーグが、今回『宇宙戦争』を選んだこと、そこに今のアメリカが抱える絶望感が反映されている。

たぶんスピルバーグが持っている人類滅亡のイメージは、こういったものかな。

この次に席巻すると言われる『AI』のロボットだけの氷の世界、ということです。

『シンドラーのリスト』、『プライベート・ラインアン』とストレートに繋がるイメージは、ハッピーエンドのドラマとは違い、スピルバーグ、というよりはユダヤ人が抱く、漠然とした人間における失望、悲壮観も垣間見ることもでき、興味は尽きません。

ただこのような衝撃的な問題を突きつけられて「さてあなたならどうする」といわれているようで、言葉を失うだけであることも事実です。

見る人によって色々と考えさせられる映画、つまるところ時代を超越した優れた映画であることには間違いないですね。

スピルバーグ監督だからこそ実現できたことなのだと思う。

まとめ

なんといってもやっぱり面白いです。

恐いのだけど、それと同時にワクワクもしてしまうパニックシーンはさすがエンタメを熟知しているスピルバーグ監督。

宇宙船の登場、人々があっという間に灰になってしまうシーン、車を乗っ手に入れようと群がる人々、フェリーの横転、惜しげもなく続くパニックシーンの後は、「静」の部分の地下室においてのシーンを挟んで、畳みかけるようにラストへ。

一切退屈になるシーンなんかはありません。

ちょっと想定外なカメラワークも悪くないですし、大げさにならない音楽も好印象です。

何よりもスピルバーグの演出の上手さに感動します。

侵略ものの映画によくあるパターンで、大統領及びその側近たちの苦悩や、宇宙船と戦闘機によるCGを使ったド派手な戦闘シーン、有名建造物破壊シーンなどは一切ない。

あくまでも主人公から見た視点で物語が進んでいくところがいいですね。

余計な映像がない分、映画全体の流れがスムーズです。

言うまでも無く、一般人が主人公だから、難しい科学的な説明はありません。
ハッキリわからない、まさにそれが面白いんです。

万が一、人類が戦って倒すような、派手なラストに期待を抱いていたのであれば、それは的はずれです。

そのような類の映画でないことがわかります。

『宇宙戦争』が観れる動画配信サービス

『宇宙戦争』が観れる動画配信サービスを表にしてまとめましたので、参考にしてみてください。

動画配信サービス 料金 お試し期間 公式サイト
Amazonプライム 325円(税込) 30日
U-NEXT 1,950円(税抜) 31日
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ビデオパス 562円(税抜) 30日
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