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『ザ・ファーム/法律事務所』のあらすじと感想・リーガルサスペンスの傑作

ネタバレ含みますのでご注意ください。

上映時間が、154分と結構長い時間だけど、長さは感じさせないものだった。肝心な部分においてのBGMも最後までピアノが中心。

と手伝ってとても見やすく、そしてストーリーに引き込まれます。引く手あまたの成績優秀な苦学生が選んだ就職先が、謎の法律事務所。

実際は、マフィアに加担していたという内容で、トム・クルーズが孤軍奮闘します。

ラスト、至るところで出来事が発生して、ちゃんと観ていないと分かりづらくなってしまいそうな部分もあったけど、緻密に構成されていて、ほんとにおもしろい。

また、トム・ムルーズが現在と比べて、なんといっても若くてカッコイイ。

全体を通して、『マイノリティ・リポート』の雰囲気と同じ様な部分をみると、トム・クルーズって、昔からこんな感じの演技をするんだなぁー、と妙に納得。

ホームドラマとサスペンスの要素を取り込みまるで、2本立ての映画を観ているような気持ちにさせてくれるお得な映画です。

そんな『ザ・ファーム/法律事務所』のあらすじと感想をご紹介します。

あらすじ

予告動画はこちらになります。↓ ↓ ↓

ハーバード大学を卒業するミッチ・マクディーア(トム・クルーズ)は、いくつもの法律事務所の面接を受けていた。

どこの法律事務所も評価が高く、引く手数多であった。だが、ミッチの心に引っ掛かる法律事務所はそう簡単には見つからないでいた。

そんな中ミッチは、テネシー州メンフィスに構える税務を専門とするベンディニ、ランバート&ロック法律事務所に面接に行く。

面接は役員とホテルの一室で実施された。

破格条件を提示され、小規模ながら家族的な温かい雰囲気に感銘して、ミッチはこちらの法律事務所に就職する。

ミッチは幼稚園の先生をしている妻アビー(ジーン・トリプルホーン)と共に、気分も新たにメンフィスへと引越てきました。

法律事務所が取り計らってくれた家は、とてもステキで、それとミッチが通勤用のために用意したベンツを見て驚くのであった。

ミッチは、エイヴァリー・トラー(ジーン・ハックマン)の下で、仕事と司法試験の勉強に力を注いでいた。

ある休日、ミッチとアビーは、先輩弁護士の家に招待されていた時に悲しい知らせを聞く。

事務所で働いている二人の弁護士が、ケイマン島でスキューバーダイビングをしていたときに、船が爆発するという事故によって亡くなってしまう。

そんな不安を感じていたミッチの前に、FBI捜査官であるウエイン・タランス(エド・ハリス)が現れる。

事務所は、ケイマン島で亡くなった2人の他に、過去10年間で4人が死んでいることを告げ去っていった。

翌日、ミッチは疑問を抱きつつも、トラーと一緒にケイマン島に赴く。

ミッチはトラ―の別荘で、数年前に亡くなった同僚が担当していた多くの不審な書類を、些細なことから見つけてしまいました。

「租税回避と脱税」などといったそれらの書類は、疑わしい資料であった。

資料のことで頭が一杯で、浜辺に散歩に出かけてみると、1人の女性が男と言い合いしているところに遭遇。

その彼女は脚をねんざしてしまい、ミッチは応急処置をしてあげました。

彼女は旅行社に勤めていると言い、ミッチを誘惑してきて、最終的には、彼女と一夜を共にしてしまう。

ケイマン島から戻ってきたミッチは、トラーから午後休暇をもらって、久々に刑務所に収容されている兄・レイの元へ足を運びます。

ミッチは、現在自分が勤めている法律事務所に不審なところが見られることをレイに相談した。

レイは、友人の元警察官で、私立探偵のエディ・ロマックス(ゲイリー・ビジー)を紹介される。

ミッチはレイから紹介されたエディの事務所を訪ね、自分が勤める法律事務所での不審な死に関する調査を依頼する。

けれど、エディが何者かによって射殺され、ミッチは事務所に対し不信感を持つ。

何日かして、税務セミナーに出席するために、ワシントンに向かったミッチの前に、再びタランスが現れ、FBI長官デントン・ヴォイルズ(スティーヴン・ヒル)を引き合わせた。

ミッチが勤める法律事務所を手中にしているのはモロルト・ファミリーというシカゴのマフィア。

事務所は、麻薬・賭博など不正に得た金を請け負ってマネー・ロンダリングをしている。FBIは、ミッチに不正に処理をしている物的証拠の提供を要請したのだ。

そのうえで、これからの連絡等はタランスにするように、半分脅迫ともとれる、協力要請をしてきました。

ミッチは弁護士を目指しているため、顧客の情報を機密にする義務があります。その義務に背くことは、弁護士を断念することになります。

ミッチは協力を辞退しました。

でも、タランスは、マフィアが、収監されている兄レイに対し、危害を加えることも充分あり得るとミッチに話しました。

ミッチは、条件として、兄レイの仮釈放を要求します。事務所に戻ると、トラーにFBIとの接触をトラーに告げると、事務所はミッチに圧力をかけ始めた。

ミッチは証拠となる資料をコピーしようとしたところ、突如、アラーム音が鳴り響きました。

あたふたしたミッチに、出勤してきた同僚が「クライアント・コードを打ち込まないとダメなんだ」と教えてもらう。

すなわち、コピーをした記録がデータとして残るシステムになっていた。

ミッチは、エディの助手であったタミーに協力を求め、秘書サービスの会社の社長のふりをして、ビルの一部屋を借り、そこで、マフィアと事務所との関係を示す資料のコピーをすることにします。

ミッチは、顧問先の指摘を受け、事務所が作業時間を不正に水増し請求していることがわかる。

そのことから、水増しした請求書に切手を貼って投函すると、『郵便詐欺罪」に該当し、1件につき罰金1万ドル、あるいは3年から5年の懲役になることに気付きます。

ミッチは急いで事務所に戻り、顧問先の水増し時間を調べたところ、送付した請求書に書かれている作業時間は、ミッチのコンピュータによる作業時間と比べて5時間多く水増しが判明する。

ミッチはタミーのいるビルに行きコピーを中断させる。

ミッチは、ドッグレース場にタランスと落ち合い、わざと彼を怒らしその模様を盗聴して、弱みを握りレイの仮釈放を要求した。

その夜、ミッチが帰宅すると、アビーは庭のブランコに座って、ワインを飲みながら、悩んでいるようでした。

アビーは幼稚園辞めて、実家に帰省すると言い出しました。

家が事務所の関係者によって盗聴されていることを既に知っている2人は、意図的に部屋の中で、もう一度、同じ話をして、アビーは母の体調が悪いので実家に帰省すると言いました。

そのことはもちろん警備係に直ぐに伝わりました。

その夜、ケイマン島のホテルで、トラーはアビーの姿を目にしました。びっくりしたトラーはアビーに胸中を明かし、本気で口説こうとした。

トラーはアビーを部屋に誘い出し、一夜を共にしようと目論むが、アビーが入れた睡眠薬によって、眠ってしまいます。

アビーはその間、部屋にある資料を持ち出し、タミーと協力して、眠らずに全てコピーしました。

しかし、書類には金額などが記載されていなかったが、コンピュータ参照といったメモ書きとサインIDとパスワードが書いてあった。

その朝、ミッチは普段通り、事務所に出社する。

ミッチはトラーの部屋に向かい、パソコンからパスワードを入力し、資産などの金額が書かれているデータを手に入れることができた。

事務所と内通している看守の報告から、ミッチの兄であるレイが仮出所したことがわかり、ミッチが、事務所を裏切ったことが判明し、用心棒のデヴァシャーとその部下に追われることとなります。

その間にミッチは、ダイビングの管理人に連絡して、レイを逃がすことに成功したこと、タミーがコピーした書類を無事に運び出したことを聞いて安心した。

後、トラーが風呂の中で、溺死になっていたことを聞く。

ミッチは、事務所の追手を交わし、シカゴに来たマフィアのモロルト兄弟に会いに行きます。

請求書が水増し請求していた金額がかなりの額なので、請求書を証拠品とするために、許可が必要なことを説明する。

その際に、書類をこちらで動かして、事務所の摘発からマフィアに手が回らないように取り計らうことを伝え委任状を貰う。

約束通り、ウエインの手元には、マフィアと交わした時間請求の水増し分と郵便詐欺の資料が渡る。

そして、事務所に所属する弁護士たちは逮捕となり、ミッチは危機を脱するのでした。

ホント事実は小説より奇なりです

ラストにおける落としどころが、非常に見応えがあった。

ミッチのマフィアに対しての申し入れは解釈次第で「証拠を手にしている」といった脅しでもあって、ある種「干渉しないでくれ」という願いでもあった。

本編のラストだと最終的に弁護士資格を剥奪されない、身分を変えなくていい、マフィアから命を狙われる危険性が小さくなった、といったミッチの満足のいく結果になる。

マフィアによるマネーロンダリングにおける証拠の書類を保持している事が正に、命の保証にもなる。

マフィア側においても、不用意にミッチを消して証拠書類の在りかがわからなくなるぐらいなら、秘密を守ると約束したミッチを泳がせておいた方が得策。

マフィア側のマイナスというと、新規に事務所を探す手間ぐらいかな。

ミッチがマフィアの専属弁護士になってしまうのかという事も考えたけど、アビーとの生活を再スタートするから、マフィアとズブズブの関係になって、自ら危ない橋を渡るといったような事はどう考えてもしないだろう。

一方で、FBIにしても最初のマフィア逮捕とは打って変わって、巨額詐欺事件摘発といった成果をしたことから結果オーライ。

でも、マフィアを捕まえるより悪質な弁護士事務所の方が、累刑が重いってのいうのも皮肉な所だね。

その他にも、この映画では完全な正義といったものが存在せず、どの位置づけの登場人物においても腹黒い部分が描かれているのが現実的です。

マフィアは言うまでもなく、マフィアを顧客にした事務所は証拠を残さないマネーロンダリングに力を尽くす。

そして、マフィアを捕まえたい思いから、ゆすってでも捜査協力に引き込みたがるFBI。

そんな個々の思惑が絡み合う中で、ミッチがFBIに正義感ではなくて、身の安全と弁護士資格を守り切ったやり手ぶりがとても印象的だった。

しかし、『パナマ文書』の問題によって、公に騒がれ始めたタックスヘイブンによるマネーロンダリングが、「ザ・ファーム 法律事務所」が公開された1993年の時点で、これ程まで当然として明示されていたことにかなり驚いた。

勇気が欲しくなった時に観たい映画

ピンチが生じた時どう対処するか?…で、人間性って決定されると思う。ミッチは仕事においても夫婦間においても危機的状況に追い詰められた。

自分の甘さが引き起こしてしまったとはいえ、これは本当にキツイ!!
その状況で救いを求めに行った先は兄・レイ。

レイは一般的な考えから言ったらとても普通の人ではない。だって、刑務所に収容されている方人ですから。

そんな状況なのに頼ってしまう。胸がグッときた。

レイの親友がまたかなり胡散臭い感じがするのだけど、力を借りて窮地を乗り切ろうとしている。

なんやかやで、別居状態になる手前で、妻のアビーが、ミッチのために命をかける。2人の関係が強固でなければ、このような展開には、まずならないよね。

ミッチが悪に屈するはずがないことは、わかっているけど、切り抜け方が見事で見応えがあった。

人生の窮地に叩き落された時、感化されて諦めるか、踏み止まるか、そんな勇気を貰いたいときに観る映画です。

弁護士も人それぞれ

法によって、ミッチは迫りくる恐怖から救われた。だけど、悪に加担したのもまた事実。

結局、事務所を壊滅することはできたが、マフィアを捕らえることはできなかった。

自分と最愛の人を守るためには、こうするより、他の選択はなかった。

ミッチは弁護士として規則正しく、一人の人間としては悪の道に少しばかり手をつけてしまった。

みんな最後は幸せになったけど、唯一トナーが殺されてしまった事に負い目を感じながら、暮らしていくだろう。

この世の中で、一切悪の道に手を染めずに、身の危険を回避することがどれ程困難であるかがよく分かる映画だよね。

弁護士として法を効果的に活用するにはいい、でも一般市民にとって法はこんなにも無力ということも思い知らされた。

まとめ

とても楽しめた。

法律事務所という一見地味と考えられる題材を絶え間なく仕掛けてくる悪事の陰謀。なにが起きるのか、最後までハラハラドキドキだった。

サスペンスに加えて、会話がまた小気味よくて、登場人物たちの個性がふんだんに描かれている。

前半は裏側に秘められた悪事が不気味に、ミッチと妻アビーに忍び寄ってくる。

この法律事務所に何かしら問題があるとわかった時は、すでに手遅れ状態。辞めることが許されないという、マフィア一味の配下という感じのの状態。

オマケにFBIも情報入手にミッチに近付いてくる。ハニートラップをかけられ、アビーとは亀裂が生じる。

もう四面楚歌の最悪の状況に陥る。

ここまでの流れも面白いが、これから先におけるミッチの反撃が緊張感と計画の大胆に目が離せなかった。

事件が解決した後のラストにおけるアビーとの再会シーンは、心に染みて情感がありました。

『ザ・ファーム/法律事務所』が観れる動画配信サービス

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