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映画『マイノリティ・リポート』のあらすじと感想・未来を見事に予言

ネタバレ含みますのでご注意ください。

原作、ストーリー、スタッフ、キャストが完璧に揃い、一級の作品に出来上がっています。

SFやサスペンス好きの私にとっては、まさにストライク。ジャンルを一括りに話すには難しいですね。

ストーリー展開は、王道的なサスペンス要素をふんだんに使いながら、未来における様々な装置の登場と合わせ、上手に重ね合わせています。

広告ディスプレイ・バーチャル体験・全自動運転・虹彩認証といった既に実践されているものがあって、先見性の高さが伺えます。

成長したテクノロジーと予知能力に支配されたアメリカの情景が、超リアルに表現されている。

SF好きにとっては、タマらない画期的な装置のCGが美しく最高!

自らの不注意によって息子を誘拐された負い目を引きずって、トラウマとなっている贖罪的な主人公をトム・クルーズが見事好演し、カッコいいです。

そんな『マイノリティ・リポート』のあらすじと感想をご紹介します。

あらすじ

予告動画は、こちらになります。↓ ↓ ↓

2048年アメリカの殺人件数は、深刻的な状況に追い込まれていた。
犯罪件数の多さに頭を抱えていた政府は、ある計画をワシントンにて実施します。

それはプリコグと称される3人の予知能力者を備えさせ、「犯罪を予見する」というものでした。

そこで、犯罪予防局が設けられ、双子の男性・アーサーとダシール、女性のアガサ3人のプリコグは、を大きな浴槽に浸けている状態。

通常は眠りについており、常時監視下の下、サポート体制をとっている。

プリコグたちから予知された脳内映像によって、脳波を伝い球が出てきます。

「赤球(レッド・ボール)」の場合は衝動殺人で、「茶球」は計画殺人に該当します。

球体は被害者と加害者のボールが出てくる。

アメリカでは網膜スキャンで、個人の情報や行動が全て把握されていました。

プリコグによって、殺人事件の予知が可能になってから、事件を未然に防止できるようになる。

その結果、ワシントンにおける犯罪は、予知システムの導入後6年間で大幅に減少。

いずれにせよ、殺人も犯罪も少なくなって、市民の安全な暮らしが確保されることは、とても喜ばしいことでした。

次期選挙では『犯罪予防法案』の結果の如何が争点となります。

仮に可決が通れば、アメリカ全土で、この予知システムが導入されます。

2054年のアメリカ・ワシントン。犯罪予知システムが機能し、犯罪は、ほぼ完璧に近い状況で阻止することができている。

犯罪予防局に勤めるチーフのジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は、6年前に息子のショーンとプールに遊びに来ていた際、誘拐にあい殺害されてしまう。

事件の影響から、妻・ララ(キャスリン・モリス)とも関係がうまくいかなくなり、現在は別居状態。

息子・ショーンな事件を再び起こさないように、ジョンは日々犯罪防止に力を注いでいました。

その取り込みぶりに関しては、はたから見ても病的で、自宅に戻ると新型の違法薬物を吸引しながら、ショーンの映像を見て癒す日々を送っています。

ジョンはバージェス局長(マックス・フォード・シード)から、司法省から調査にきている「ウィットワーに注意しろ」と言われます。

ダニー・ウィットワー(コリン・ファレル)は、犯罪予防局の予知システムに関して疑問をもっている。どこか、プリコグの粗を探しているようにも見える。

ある日、プリコグの中で、一番予知能力が高いアガサ(サマンサ・モートン)が、ジョンの腕を掴んで、脳内からの映像が見えるか聞いてきました。

ジョンは、プリコグが自分に話しかけてきたことに驚きます。アガサが予知した映像は溺死体だった。

気になったジョンは調べてみると、データが残っているのは3人のイメージデータのみ。アガサだけのものがないことがわかります。

少ない数の反応(マイノリティ・リポート)は破棄することになっていた。

それは、見たところローランド湖において、アン・ライブリーに男が殺そうとした映像で、男の身元は判明していない。

それは、男が身元を偽装するためにお金を使って、眼の移植手術をしているから分からないのです。

アガサ1人だけの予知では、信憑性がないので、3人が同じ様に見たものだけが採用されます。

データ量が多いとやっぱり「誤差に近い」ことが生じてしまうので、アガサが単体で見た映像は「エコー」と呼ばれ、処理されていた。

アガサの映像が、頭から離れずジョンは独自で調べ始めます。

映像の女性はアン・ライブリー、薬物による中毒者で、現在消息がわかっていない。

ジョンは、バージェスに相談し、あまり深追いするなと言われる。しばらくしてから、計画殺人の予告がプリコグからされる。

システムが導入されてから、衝動的による殺人が中心となり、計画された殺害はピタッと減りました。

アウトプットされた球体を見て、ジョンは驚きます。なんと、ジョンの名前が刻まれていたからです。

被害者の名前は、リオ・クロウといって、ジョンにはまったく心あたりがない男性でした。ジョンは球体を隠し、犯罪予防局から逃走を図ります。

ジョンは独りで逃げながら、ウィットワーが陥れた手口を調査しようと考えました。

街はすべて虹彩認証で管理されているため、ジョンの居場所はすぐに知られてしまう。

追手を交わすことに成功したジョンは、犯罪予防局のシステムを開発したアイリス・ハイネマン博士(ロイス・スミス)のところへと向かう。

ハイネマン博士は、ジョンを家に招き入れ、システムは偶然の産物であったと告白します。

ハイネマン博士は、麻薬患者の子供たちを対象に研究を続けていた。大部分の子供は、脳に障害を持ち、それでいて短命であった。

それでも、生き延びたごく限られた子供に、驚異的な能力をそなえていることを、発見します。

それが、プリコグを誕生させたきっかけでした。

深夜に殺人が起きる夢にうなされ、泣きながら起きてくる子供たちを目の当たりにして、この殺人が現実に発生していることだと知ったハイネマン博士は、3人のプリコグによって、犯罪を予知するシステムを構築します。

ただ3人の見た印象が確実に合致する場合のみが保存され、一人だけの場合(マイノリティ・リポート)破棄することがわかっているのは、ハイネマン博士とバージェス局長のみ。

2人は、むしろマイノリティ・リポートがあることがバレてしまうと、システムの欠陥だと指摘されることを恐れて、隠していました。

アガサが見たデータは、彼女の脳内に保存されていることから、ダウンロードすれば問題ないと博士からアドバイスをもらう。

ジョンは、かつて捕らえたことで、面識のある闇医者のエディ・ソロモン(ピーター・ストーメア)に、眼球の交換手術を依頼する。

その際、摘出した自分の眼球はほしいという。

エディは「包帯は12時間経ってから取らないと失明してしまう」と告げられる。それと、エディからの気持ちとして、顎の下に注射を打つと顔が変化する薬を貰う。

ウィットワーは、ジョンは識別検査の範囲に適応しないスラム街に潜んでいるとあたりをつけていました。

スパイダーと呼ばれる銀色の本体10cm程度、脚を入れたとしても20cm位の小さな機械を使い、スラム街を重点的に捜索します。

ジョンは、スパイダーの執拗な捜索を無事クリアし、エディからもらった注射で顔を変え、自分の眼球でロックを解除し、犯罪予防局へ潜入する。

そこで、アガサを引き連れて逃亡。

ジョンは、プリコグのシステムを築きあげたルーファス・T・ライリーのところへと向かう。

アガサの脳を調べて、マイノリティ・リポートは存在しないとアガサ自らが言います。

その代わりにアガサは、もう一度アン・ライブリーの映像を見せる。

アガサの予知によって、追跡を回避しながら逃げ切ったジョンは、自分が殺してしまうとされる被害者の部屋を探します。

ホテルを突き止め、アガサの制止を振り切って部屋に入り、リオ・クロウという男が、息子・ショーンを殺した相手だと、ベットに散らばっていたショーンの写真を見て早合点します。

部屋に現れたクロウにジョンは拳銃を向けるが、アガサの忠告で冷静になり、逮捕しようとします。

すると、クロウが自ら殺してくれと言ってきます。

どうやら、ジョンが殺人を犯すように何者かの策略によって、仕組まれたものだと知ります。

ジョンは、クロウに首謀者が誰なのか詰め寄る。

偶発的にジョンの持っていた拳銃の引き金をクロウが引いたことによって、ジョンはクロウを殺してしまう。

殺害現場に足を踏み入れたウィットワーは、不自然に被害者の子供の写真をあえてベッドにばらまいている点が、普通に考えてありえないと思います。

さらにウィットワーはアン・ライブリーの殺害映像が、さざ波の立ち方が違うことから、2つの事件を見ていたと確証します。

そのことについて、ラマー局長に指摘したウィットワーは、バージェスによって殺害される。

ジョンを陥れようと算段した首謀者はなんとジョンが信頼していたバージェスであった。

バージェスはプリコグの完成を目指していた矢先、、娘のアガサを取り戻そうと食い下がる母親アン・ライブリーの存在が邪魔になり殺害した。

犯罪予知ができることを逆手にとって、同じ状況で別の殺人事件を企て、殺害を実践したのです。

別の殺人事件においては、予知によって、犯罪が未然に防ぐことができた。そして、バージェスは、アンを犯行場所に誘い出して殺したのです。

バージェスは、アガサの映像から疑問に思い調査を始めたジョンが邪魔な存在になったので、クロウを殺害させ、ジョンを殺害容疑で逮捕させ、ウィットワーを殺した容疑もジョンの仕業にしようと企てた。

ジョンは逮捕され、刑務所に収容されます。アガサもまた、元のプリコグに戻されました。

不審に思ったララは収容されているジョンに会いに行き、事情を聴いてジョンを刑務所から出しました。

ジョンはバージェスの犯罪映像を、マスコミが集まっている記者会見の場で流します。

観念したバージェスは、控室でジョンを殺そうとするが、プリコグによって予知されています。

ジョンを殺せば刑務所行き、それに対し、ジョンを殺さなければ、システムに矛盾が起こります。

悩んだ末、バージェスは、拳銃自殺しました。

今回の一連の事件を通して、未来は変えることができる、すなわち「予知された殺人は、全て実行されるとは限らない」ということが明らかになります。

 

犯罪予知システムは撤廃され、収容されていた囚人は免罪とされ、自由の身になった。

但し、一部の囚人に対しては、警察の監視下に置かれるかたちとなった。

さすが、スピルバーグ監督ですね

誰もが目にしたことがないものを見せてくれる。

それこそが、エンタテインメントの映画における面白みだと思う。

スピルバーグ監督の作品は、エンタテインメントを提供してくれる確率が圧倒的に高い。

『E.T.』では、人間と宇宙人による友情を描き、『ジュラシックパーク』では、リアルに生きている恐竜を表現。

『プライベートライアン』では、過去の戦争映画では、見受けられなかった戦場における臨場感と恐怖を掲示してくれた。

この『マイノリティ・リポート』においては、未来で起こるであろうとされる科学的に創造されたリアルな世界。

近未来を描いているが、遺伝子操作で人間を移植、新種の麻薬によって生じる脳に障害を持った人間が出現。

予知によって司法システムの導入、犯罪者の情報をデータ化として保管する刑務所など、アメリカであれば間違いなく近い将来充分可能であると思える演出はリアル感があり、見事だったなぁ。

まったく予備知識なく、後になって知って驚いた。

設定がどこか『ブレードランナー』に似ているなぁーと思っていたら、やはり同じ原作者フリップ・K・ディックでした。

『ブレードランナー』のように、わかる人だけ分かればいい的な雰囲気に、陥りやすいところ、偏らずに作ったスピルバーク監督はさすがですね。

とにかく、期待を裏切らないレベルですよね。

スピルバーク監督が尊敬する黒澤明監督は、マニア的に作風が偏り、限られた人しかわからなかったり、興行システムや制作態勢を築けない理由から、後年作品を多く残せなかったのに比べ、ハリウッドシステムは、満足いくまで、天才が腕を振るい、作品が作り続けられるこの差は大きいなぁ。

未来を予想した先見性が凄いです

改めて鑑賞して、本編で設定されたものが、今や当たり前になっていることに驚く。

こういう時代を予見した原作者フィリップ・K・ディックと映像化したスピルバーグ監督の先見性に唸らされますねぇ。

当時はユニークに見えた車も実現しつつある。

EV(電気自動車)も発売され、それには高精度のGISが標準装備されている。

映画のように、その車でお店の前を通れば「只今セール中!」といった様な表示をナビ画面に告知するなんてことも充分可能は話。

また、虹彩認証が『iPhone X』にも搭載され、個人情報を特定するシステムが実際に導入されるとなると、管理社会というイメージを持つけど、圧倒的に犯罪が減るように思えますね。

その視点で観ると、犯罪事前予知を描いた『マイノリティー・リポート』はすでにSF映画の範疇を超えていますね。

2054年どころか、1年先の世界はどう移り変わっているのだろうか。

タイムリーにこれらを体現できる私たちは、果たして幸せなのかまたは不幸なのか。

過去と向き合いながら、更に進化した状況を人が作り替えていくものである、といったことに思い巡らせました。

トム・クルーズが涙ながらに語る「ミランダ警告」に感動

ジョンが殺すと予知された時間が迫ってくる時の緊張感は、手に汗を握る展開で凄かった。

殺害現場となる部屋を突きとめ、部屋に入るとベッドの上に散らばっていた写真の中に、なんとジョンの顔が目に留まり、予知通りにジョンは拳銃の引き金を引こうとする。

そこで、アガサの忠告により、怒りを抑えて涙ながらに「黙秘権がある」と語るジョンが最終的に、警官としての心を持って対応した姿に感動した。

このジョンがクロウに言った事が『ミランダ警告』と言います。

ミランダ警告とは

1. あなたには、黙秘権がある。
2. 供述は、法廷であなたに不利な証拠として用いることがある。
3. あなたは、弁護士の立会いを求める権利がある。
4. 公選弁護人を付けてもらう権利がある。[/box]
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ミランダ対アリゾナ州事件

アメリカでは、これらの4項目を警察官が容疑者を逮捕する際、告知しなければいけないと1966年から義務付けられた。

被疑者に告知していない場合の供述は、裁判では証拠として採用されない。

実際に言わなかったことで、無罪になったケースがあります。

それが、ミランダ対アリゾナ事件といいます。

誘拐などの罪で、有罪判決を受けたアーネスト・ミランダに対し、逮捕時に被疑者の権利が説明されていなかったことから、判決が破棄され、無罪となりました。

まとめ

作品の柱となる犯罪予知システムの設定が秀逸です。

もし、リアルに将来の予測が可能であれば、間違いなく犯罪をなくすことができるのかと考えさせられます。

一番は、犯罪を犯す人間が居なくなることだけど、実際のところそううまくはいきません。

しかし、未来という運命は決まったものではなく、自分の意志で変えることができる。

人には誰でも可能性をもっていると、この映画で伝えたかったように思いました。

希望を与えてくれる映画です。

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