完成度が高い『名探偵コナン/瞳の中の暗殺者』の感想




ネタバレ含みますのでご注意ください。
本作は、シリーズ4作目にあたり、『名探偵コナン』の魅力がすべて詰めこまれた作品。

 

コナンや蘭を含め、登場するキャラクター全員が、個々に見せ場を持っていて、最後まで一気に楽しめます。

 

劇場版によく見られる、派手な破壊シーンも見どころのひとつで好きですが、今回は極力押さえて、コナンたちと殺人犯の攻防をメインとして、スリリングに描いているところが非常に好きです。

 

適度に笑いがあって、話の展開もスムーズで、そして何よりも殺人事件が起こり妙に辛気臭い雰囲気が無くて良い。

 

ストーリーは新一(コナン)と蘭の関係について、再びスポットを充て、ヒロインである蘭に不便な状態を与えて登場人物を行動させています。

 

比較的きれいにまとまっているので、劇場版のコナンってどんなの?と思って観るのには丁度いいかな。

 

大人でも充分に楽しめる良作ですよ。

 

そんな『名探偵コナン/瞳の中の暗殺者』のあらすじと感想をご紹介します。

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あらすじ

ある雨の日、蝶ネクタイの変声機を使い、公衆電話から蘭と話をしていたコナンは、毛利探偵事務所に向かう元太、歩美、光彦と一緒になる。

 

信号が青で点滅した状態で、横断歩道を渡ろうとした彼らにたまたま通りかかった奈良沢治警部補に注意を受ける。

 

ちょうどその時、奈良沢が電話ボックスで何者かに拳銃で撃たれる現場を目撃。
コナンは直ぐに犯人を追うが、取り逃がしてしまう。

 

奈良沢は左胸を掴みながらコナンに何か伝えようとして息絶えた。

 

米花警察署に捜査本部が設けられ、目暮警部らは犯人が右手で傘を所持していたという証言によって、拳銃は左手で撃ったと決めつけた。

 

また、奈良沢が自分の左胸を掴んで命を落としたことに関しては、胸にしまったいた警察手帳を意味したものと解釈した。

 

その日の夜、同じく芝陽一郎巡査部長がマンションの地下駐車場において拳銃で撃たれ亡くなっていた。

 

翌日の朝、マスコミは立て続けに警察官が射殺された事件を派手に報道する。

 

小五郎は今回の事件に関して話を聞こうと目暮警部に電話をするが、いつもの雰囲気とは違い、どこか素っ気ない態度を取り、捜査状況の情報を拒否する。

 

その中で、白鳥警部の妹・沙羅の結婚を祝うパーティーがホテルで開かれることになり、コナン・蘭・小五郎は別居中の妻英理と一緒に顔を出すことになった。

 

パーティー会場は、かつて小五郎が刑事の時にお世話になった上司小田切敏郎警視長を筆頭に警察関係者並びに、敏郎の息子小田切敏也、白鳥のかかりつけの心療科の医師・風戸京介らの姿がみえた。

 

コナンと小五郎は、会場に来ていた目暮警部にもう1回事件について聞くが、同様に否定される。

 

どうにか高木刑事より芝刑事においても警察手帳を握って亡くなっていたことを教えてもらうが、すぐ後に白鳥から「Need not to know」(知る必要の無いこと)といった警察内部の隠語を言われ、これ以上の詮索をシャットアウトされてしまう。

 

そういった背景からコナンは、警官殺しの事件には警察の上層部、または警察組織全体が関係しているかもしれないと疑問を抱く。

 

多くの招待客でごった返す中、蘭はトイレで佐藤刑事と遭遇する。

 

ちょうどその時、トイレも含めたパーティー会場を含んだフロア全体が突如停電し、佐藤刑事がトイレの外に状況を見に行こうとしたら、何者かによって佐藤刑事が銃弾を浴びてしまい、意識を失う。

 

蘭は佐藤刑事が撃たれるところを間近で目の当たりにしたことによってショックで気を失ってしまう。

 

蘭と佐藤刑事はすぐさま病院に搬送される。
急遽パーティー会場全てにおける出入り口を封鎖するがパーティー会場にいた人たちからの硝煙反応が出なかった。

 

コナンたちは2人が搬送された病院に向かった。
佐藤刑事は撃たれた弾の1つが心臓付近で止まっており、助かる見込みに関しては50%であると告げられる。

 

一方の蘭に関しては幸運にも損傷を受けず、まもなく意識を取り戻した。

 

しかし、事件の影響からショックを受け記憶を失い、自分の名前ですら思い出すことができなくなってしまっていた。

 

風戸の診察によって、蘭は激しい精神的なショックから自分を防御するために「逆行健忘」を発症したと診断された上で、何日か入院することとなった。

 

蘭は佐藤刑事が撃たれた時、犯人の顔を目にしていると想定すれば、間違いなく命を狙うに違いないとコナンは疑念を募らせる。

 

なんと予感は的中してしまう。

 

退院した後、コナンは蘭と英里に同行して買い物に行く途中、駅のホームにおいて、蘭が何者かによって突き落とされてしまう。

 

すぐさまコナンが救出し一命をとることが出来た。
そのこともあって蘭は再び病院に戻ることとなる。

 

コナンは蘭を守るために、ひとりで事件の解明に動き出す。

 

コナンは事件のあった米花サンプラザホテルに再度訪れ、犯人が硝煙反応を残さずに撃つことが出来たことに気づきます。

 

その後、ミュージシャンである小田切敏也のコンサートに出向いたところに、敏也に挑発する仁野環を見かけ、コナンは、環に近づき情報を得ようとします。

 

その頃、蘭はテレビから映るトロピカルランドから、記憶が戻る気になります。
園子と一緒に次の日行く約束をするが、「コナンには秘密にしてほしい」と頼みます。

 

理由は小学生の子供を事件に巻き込みたくないという蘭の気遣いからです。

 

翌日、蘭がトロピカルランド行くのを知らされていないコナンは、環に会いに出かける。
コナンが出掛けるのを見届け、蘭、園子、小五郎、高木刑事は、トロピカルランドに行く。

 

ちょうど、阿笠博士の車に乗って、少年探偵団も尾行します。

 

環から情報を貰ったコナンは、芝刑事の警察手帳の向きが反対になっていることを目にする。

 

環も元々左利きだったが、右利きに直されたので「意識していない時は何気に左を使ってしまう」と聞き、ある人物を思い浮かべます。

 

環と別れた後、東都大学病院に聞き込みの中で、真犯人の目星がつきます。

 

コナンは毛利探偵事務所が不在なことから、英里の法律事務所に電話をかけたところ、蘭たちが、トロピカルランドに出掛けていることを知って、向かいます。

 

トロピカルランドに到達したコナンは蘭と合流、犯人から全力で守ります。

 

どうしてそんなにもして自分のことを心配してくれるのかと理由を質問されたコナンは「お前のことが好きなんだよ、この地球上の誰よりも」と答える。

 

なんと、犯人は、蘭の主治医である風戸京介であった。

 

風戸は往診の際に受話器を取った手が左だと憶えていたことから、両利きだと気づいたのです。

 

奈良沢が命を落とした時に左胸に手を当てていたのは「心」つまり心療科のことを指していたのでした。

 

風戸は外科医として将来を嘱望されていたが、7年前の手術の際、仁野によって、左手首をメスで切られ、外科医での道が途絶えてしまう。

 

1年前、再会した時に、仁野が故意に手首を切ったことを告白され、風戸は怒りに任せて、仁野を自殺に見せかけて殺害します。

 

仁野の事件が再捜査されることを奈良沢から知った風戸は、自分の身を案じ、当時の捜査員を次々と殺していきました。

 

コナンは蘭をと一緒に2時間毎に噴水の出る広場へ向かわせ、コーラの缶を放ってそれを撃ったところから風戸の位置を知り、コーラの缶を蹴り拳銃を手から落とします。

 

記憶が戻った蘭は、空手で風戸を仕留めて事件は解決します。

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ベタな設定だけど完成度は高い

犯行現場に遭遇した蘭が、ショックから記憶喪失になるという設定は、アニメやドラマ等でよく使われるパターンだけど、全体のクオリティはとても高い。

 

今回の作品の中に、うまく活かされていますね。

 

記憶を失ったしまった蘭に対して必死で守ろうとするコナン、そのうえで記憶を失いつつもコナンの身を案ずる蘭。

 

この2人の思い合う心中はお互いを守りきることが出来るのか?
そして事件を解決へと導くことができるのか?

 

それぞれの、人が人を愛おしく思う心、守ろうとする心が、切なくなります!
昔の想い出の中から記憶を取り戻した展開は、少々ベタかなって思ったけど、良かった。

 

キャラクターが普段の作品と比べても個性があって、ラストまで結末を期待させる流れは劇場版ならでは。

 

コナンが蘭に口にしたセリフと小五郎が英里に告白した際に使ったセリフが同じというのが面白かったです。

 

サスペンスなシーンのみならず時々笑わせてくれる作品です。

コナンはやっぱり格好良いですね

蘭の記憶を取り戻そうと力を尽くすコナンはホントにかっこよく、同性である男が見てもその姿には心底憧れを抱きます。

 

蘭はただの守って欲しいだけのか弱いヒロインにとどまらず、ラストにおいて、苦戦を強いられたコナンに変わって、得意の空手を使って、窮地を救うなど、カッコいいシーンもちゃんと設けられていて、蘭が魅力的に描かれている。

 

これを観てしまうと、「早くコナンを元の新一の姿に戻して、蘭と再会を果たしてほしい!」と強く思いますね。

 

だけど、新一がコナンになって、離れているからこそ、この2人はお互いを大切な存在なのだという気持ちが以前にも増して強くしていくのかと思う。

 

恋愛ものをストレートにアニメでやると、下手すると臭過ぎて白ける事があるけど、この作品はいい感じです。

 

何よりコナンと蘭の絆と愛情が試されている作品として、とても素晴らしかった。

まとめ

この『瞳の中の暗殺者』は、劇場版コナンの第4作目の作品で、少しずつコナン映画の人気が固定化しつつある時のものです。

 

今回は、事件が端緒となって蘭が記憶喪失になってしまいます。

 

そこで、周囲の人が記憶を回復させようとして努める、家族の愛、友情、大事な人への愛が詰まったハートフルストーリーに仕上がっている。

 

今回、別居中の小五郎の妻・妃英理が登場する。

 

そこで小五郎からのプロポーズのセリフが語られ、ストーリーの後半で伏線として使われるという、ロマンチックにプラスして手に汗握る展開が見られる。

 

より一層『瞳の中の暗殺者』に深みを加えているのは、警察という組織に隠された問題、例として、上層部の息子には容疑者だとしても軽率に手を出せない、という社会の暗部を描いていることです。

 

更に、肝心のミステリー部分はといえば、硝煙反応を消すトリック、利き手のトリックによる、基本的なものに落ち着いている。

 

ミステリーはそれなりに、ハートフルな物語を見たい人には、ぜひお勧めです。

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