薬師丸ひろ子主演『探偵物語』のネタバレ感想




ネタバレ含みますのでご注意ください。
『セーラー服と機関銃』に主演後、受験の為に休業していた薬師丸ひろ子が玉川大学に合格し、女優業に戻った復帰作。

 

原作も赤川次郎が彼女の為に書き下ろした作品とあって、角川映画の期待度が如何に大きかったことが、よくわかる。

 

清純アイドルの彼女が、松田優作とデープキスシーン演じたことも大きな話題となった。

 

当時の薬師丸ひろ子の人気は凄く、本作は1983年(昭和58年)の配給収入が28億で、『南極物語』に次ぐ邦画2位の成績を収めた。
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/探偵物語

 

どうしても『探偵物語』というと、同じ松田優作主演のTVドラマと混同してしまうけど、TV版「探偵物語」や『蘇る金狼』、『野獣死すべし』で、撮影の仙元誠三氏など、松田優作と共に多くの仕事をされた方々が参加していることもあって、東映のB級映画の匂いがプンプンします。

 

単なる薬師丸ひろ子の為だけの映画に終わっていない。

 

松田優作と薬師丸ひろ子の掛け合いが、違和感なく観られる娯楽映画です。
そんな『探偵物語』のあらすじと感想をご紹介します。

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あらすじ

父親の待つアメリカ行きを一週間後に控えている新井直美(薬師丸ひろ子)は、田園調布に豪壮な構えの自宅に住む女子大生。

 

直美は大学のサークルで一緒の先輩・永井裕(北詰友樹)に誘われ、バイクで海に行く。

 

そこで、永井が海辺の店で買った二つのペンダントのひとつを直美にプレゼントしてホテルへ入る。

 

ホテルの部屋へ直美の叔父と偽って突然、私立探偵の辻山秀一(松田優作)が飛び込んでくる。
いきなり頬をぶたれた直美は辻山を痴漢として、警察に通報。

 

辻山は、直美の父親の秘書兼家政婦である長谷沼君江(岸田今日子)が探偵会社に雇ったボディガードだったことが判明する。

 

次の日から、辻山は直美のボディガードに努める為に行動を共にする。

 

その夜、辻山は無事自宅まで、直美を送り届けた後、彼の元妻であった直木幸子(秋川リサ)がクラブ歌手として働いている店に行き、不倫相手の奥さんから浮気調査をしていることを忠告する。

 

そこに、直美が辻山を尾行していた。
辻山はとりあえず直美と店に入ると、永井の恋人である正子(坂上味和)がバニーガールのバイトをして、生計を立てている。

 

正子は直美に永井の恋人であることを告げる。翌日、幸子が辻山のアパートに血相を変えて、駆け込んでくる。

 

幸子の不倫相手である国崎組の若頭である和也が、ホテルのシャワー室で刺殺された。
密室での出来事なので、一緒にいた幸子に疑惑の目が向けられている。

 

TVのニュースで、事件知った直美は、辻山のアパートに押しかけ、国崎組からの追手を交わすために、2人を部屋から脱出させ、自分の家に匿いながら、真犯人を探し始める。

 

直美は国崎の葬儀に参列し、国崎の妻・三千代(中村晃子)と組員・岡野(財津一郎)の関係を知り、追ってきた辻山と一緒にタクシーに乗り込み二人を尾行する。

 

辻山と直美は、岡野の家に忍び込み、二人の様子を盗聴し録音に成功。
自宅へ戻ると、長谷沼が国崎組に拉致され、幸子を引き渡せば助けると交換条件を出される。

 

その夜、盗聴した録音をカセットテープにダビングが終わり、辻山と幸子がいる部屋へノックしようとした瞬間、声が聞こえ直美はショックを受ける。

 

気を紛らわすために、街を彷徨いながらバーに入り、見知らぬ男にナンパされ、ホテルに誘われてしまう。

 

入ったホテルは、国崎が殺害された場所だった。

 

直美はシャワー室の換気口から、隣の部屋に出入りができるトリックを見抜き、脱出する。
自宅に戻った直美は、長谷沼と引き換えに、辻山が録音したカセットテープを持って国崎組に乗り込んだことを知る。

 

しかし、辻山が持っていったカセットテープは、盗聴したものではなかった。
直美は、辻山と幸子を助けるべく、国崎組の組長に会いに行き、岡野と三千代の関係がわかる録音テープを聞かせる。

 

そして、国崎和也が殺害された密室殺人のトリックを殺害現場で再現し、その時に以前永井から貰ったものと同じペンダントを拾う。辻山と幸子を解放させる。

 

直美は永井にペンダントをしていないことを問い詰め、実は同じペンダントをしている人を見たことがあるので、その彼女に合わせてほしいと言う。

 

直美は換気口で拾ったペンダントを正子に見せる。
正子は国崎が経営する店で、バニーガールをしながら、売春を強要されていた。

 

永井との間に妊娠したことから、辞めようとしても却下されたことに対する衝動的な犯行であったことを告白する。

 

正子は警察に出頭し、事件は解決する。一週間、辻山との付き合いで、直美は彼に心が傾く。

 

アメリカに発つ前の夜、辻山のアパートに訪れ、自分の気持ちを告白する直美だが、辻山は相手にしない。

 

当日、成田空港に到着した直美は辻山の姿を見つけ、二人は熱いキスを交わした。

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自然体の松田優作の演技もいいですね

これまでの近寄りがたいオーラと尖ったイメージとは違い、冴えない感じで精細さが欠けているけど、どこにでもいる心優しく、親近感が持てる大人の男を演じている。

 

この時期の松田優作は、アクションを封印していた時期。彼の魅力は野性味があって無骨なところ。

 

その為、物足りなく感じたのも事実だけど、うだつの上がらない雰囲気が逆に新鮮で、不器用さがいいですね。

 

どこか哀愁を漂わせる表情や仕草は、ハードボイルドな気分を味わえます。

 

ラストの長い抱擁と熱いキスの後に繰り広げられる優作の演技は、役にのめり込む彼の性分からして、間違いなくアドリブだと思う。

 

アイドルにあそこまで絡む姿勢に、ちゃんと自分の見せ場を作るのはさすがですね。個人的に本作の松田優作好きです。

80年代の雰囲気が堪能できる

1983年といえば、東京ディズニーランドが開業し、バブル景気が膨らみ出す少し前で、何となく世の中が浮かれ始めてきた時期。

 

今観ると、当時の情景が垣間見られて楽しい。

 

薬師丸ひろ子の肩パッドが入ったワンピースの着こなし、北詰友樹のトレーナーとジーンズスタイル、松田優作の着崩れしたルーズなフィットのスーツ。

 

ダブルカセットを搭載したミニコンポにヘッドホン。
東横線の改札は自動改札でないし、外出先からの連絡をする際に公衆電話を使う。

 

後、やたらみんなプカプカと平然とタバコを吸っているし、80年代はこんな時代だったんですよね。よくも悪くも懐かしい限り。

 

時代性を意識しすぎたために、今観ると古く感じてしまうのは、しょうがないけど、当時の雰囲気がよく映し出され、タイムスリップしたかのような気分が味わえるので心地いい。

まとめ

本作は何と言っても、成田空港での薬師丸ひろ子と松田優作のキスシーン。30cm以上離れた身長差のあるキスがとにかく素敵です。

 

松田優作の手の動きが、心情の全てを物語っている。上手い役者というのは、手の動き一つで、ちゃんと表現している。

 

まさに、このラストシーンのためだけに、この映画が作られたといっても過言ではないです。
ストーリーは80年代の角川作品で原作は赤川次郎という不動のもので、展開も真新しいものではないけど、気軽に楽しめる作品です。

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