トム・クルーズが初めて悪役に挑戦した『コラテラル』の感想




ネタバレ含みますのでご注意ください。
実に男臭い映画です。

 

煌びやかなロスの夜景、乾いた銃声とまさに男の世界。
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが共演した名作『ヒート』を監督したマイケル・マンの作品であるだけに、男たちの葛藤を痛ましいほどに孤独と非情が迫ってくるサスペンスに仕上がっています。

 

女性は一応登場するけど、テーマ的には完全に無視。
ほぼ、マックスとヴィンセントこの二人の主役で、話が進んでいく。

 

コンプレックスを抱えているサラリーマンの心に突き刺さるものが本作にはあります。
そんな『コラテラル』のあらすじと感想をご紹介します。

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あらすじ

動画はこちらになります。(字幕はありません) ↓ ↓ ↓ ↓


舞台はロサンゼルス。
タクシードライバーのマックス(ジェイミー・フォックス)は、いつもどおり、仕事に就いていた。

 

最初の客アニー(ジェイダ・ピンケット=スミス)を乗せ、マックスは高速を使った方が目的地に早く着くと提案し、着かなかった場合はチャラにするという賭けを行い、見事賭けに勝ったことにより、アニーは感激し、「困ったことがあったら連絡して」とマックスに名刺を渡す。

 

彼女は、検事である。
マックスは次にヴィンセント(トム・クルーズ)と名乗る客を拾う。

 

ヴィンセントから聞かれて答えた時間通りに目的地に着くことが出来たことから、ヴィンセントはマックスの仕事ぶりを気に入り、タクシーの貸切りを持ち掛ける。

 

マックスは、「会社の規則に違反する」と断るが、ヴィンセントの押しの強さに負けて引き受けてしまう。

 

マックスはあるビルの前に車を停めて、ヴィンセントを待つ。
ヴィンセントの仕事の目的は、麻薬組織のボスの依頼により、裁判によって、ボスが不利となる証人達を始末すること。

 

マックスが待機しているタクシーの真上に、ヴィンセントが殺した死体が落下するアクシデントが発生する。

 

死体をタクシーのトランクに入れ、その後も、ヴィンセントは淡々と、契約通りに仕事をこなしていく。

 

マックスにとって、感情も持たず面識のない人間に、銃を発砲するヴィンセントの態度が耐えられなくなり、遂に危険を顧みず、現状打破の行動にでる。

 

ヴィンセントのブリーフケースを奪い、高速道路へ投げ入いれる。
ブリーフケースには、ボスから依頼を受けたリストが入っていた。

 

ヴィンセントは、再度情報を得るために、自分の素性を依頼主であるボスに晒すのを危惧し、マックスを自分に見立てて、ボスの元に差し向ける。

 

ボスと会うことが出来て、情報が入っているUSBメモリーを貰うことに成功する。
マックスは、4人目の標的を仕留めたヴィンセント乗せ、再びタクシーを走り続けた。

 

ヴィンセントの人殺しをやめさせようと、タクシーを暴走し、ガードレールにぶつかって横転させる。

 

ヴィンセントは、まるでターミネーターのごとく、タクシーの中から這い出てきて、5人目の始末に向かう。

 

その5人目の標的はなんと検事のアニーだった。
マックスは、アニーを守るために、彼女のいるオフィスと向かう。

 

間一髪のところ、アニーを救出しヴィンセントから逃げる。
地下鉄に逃げ込み、一安心したのも束の間、ヴィンセントも乗り込んできた。

 

逃げ場を失ったマックスは、ヴィンセントに立ち向かい仕留めた。

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感想①:トムの悪役は違和感なかった

トムは、善玉役が多いだけあって、悪役はどうかなあと危惧したけど、心配無用でした。
髪も白髪交じりで、髭を生やし、ガラリとイメチェン。

 

グレーのスーツを着た渋いオッサン系で、クールな殺し屋ヴィンセントを見事に演じている。
彼が本来持つ雰囲気が、悪役でありながらも、若干目線がゆるく優しそうに見え、人なつこい笑顔を垣間見せます。

 

それがまた、いい感じに出ている。
このヴィンセントは殺し屋なのによくしゃべる。
だから、よけいに冷酷さが引き立っています。

感想②:マックスを自分に置き換えて鑑賞

マックスは現状に不満を抱えながら、夢が捨てきれず、かといって、現状を受け入れなくてはならないと、もがき苦しむタクシー運転手。

 

彼に自分をダブらせ俯瞰して見てみると途端に、この映画の違った側面が見えてくる。
若い頃は、誰しも周りの人間からも期待され、もてはやされる時期があるはず。

 

何でも思いは実現できると勘違いしていた頃。
でも、ふと気が付くと、今の自分は昔の自分が思い描いていた人生を生きているのだろうか?なんて疑問が頭をよぎる。

 

ヴィセントとマックスの会話で、グサッと心に突き刺さるセリフがあります。
「夢があると口先だけで、本当は今の状態から抜け出すのが怖いんだろ?」確かそんな内容。

 

会社に不満があっても、ただ同僚と愚痴るだけで現状維持のまま・・・
なにもしなければ、10年後も同じような日常を繰り返すだけ。
「このままでいいのか」と自分に問いかけ、行動に移さなければといけないと痛感した。

感想③:ヴィンセントのシニカルな言動に共感

ヴィンセントは現状に苛立ち、行き詰まっていたように思えた。
自分の生い立ちだけにとどまらず、やたら広く、他人に無関心なL.Aという街に。

 

無味乾燥とした人々の狭間で彼はウンザリしていたに違いない。
だから、今まで感情を持たずに人を殺すことにためらいもなかったし、自分を追い込んで必死に生きてきたのだと思う。

 

それは、白髪になっていることからも伺われる。
そして、彼の皮肉な態度をとる言動は、求めても得られなかったことへの願望の現れだったかのように思えてならない。

 

偶然タクシーに乗り合わせたことによって、出会うマックスとの関係は、彼にどのような変化が生じたか?

 

マックスが逆ギレして、ヴィンセントの攻撃的な視線が一瞬緩むのは、否定されることによって、初めて関わりを持てた歓びを感じたからかな。

 

マックスの存在が、彼を突き動かし、これまで犯した罪の報いを受け入れる最大のチャンスと思っていたのかもしれない。

 

「他に選択肢がない」と追い込まれ、覚悟を決めた経験があるならば、少なからずともヴィンセントの行動に理解が出来ると思う。

まとめ

トムが演じるヴィンセントは悪役であるけど、違和感なく観られた。
ひげ面にスーツ姿は『ヒート』のロバート・デ・ニーロを彷彿させます。
身体能力の高さはいうまでもなく、本作においても遺憾なく発揮している。
例えば、全力で疾走する鬼気迫る姿、弾倉を交換する華麗な動きに魅了します。

 

ストーリーもツボを抑えた作りで、盛り上がりがきちんとあり、ハラハラ・ドキドキさせる展開は観ていて心地よい。

 

ラスト二人の対決は、西部劇に置き換えると、流れ者の殺し屋ガンマンと保安官が撃ち合う感じを受け、印象に残りました。

 

最後までとても楽しめる映画なので、おススメです。

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