菅原文太がブレイクした『仁義なき戦い』ネタバレ感想




ネタバレ含みますのでご注意ください。
久々に見たけど、いやぁ〜、名作ですね。

 

さすが邦画を代表する作品だけのことはある。
やはり内容が深い。

 

描かれているのは、権力闘争に巻き込まれていく人間たちの赤裸々な人間ドラマ。
だから今見ても、何の違和感もなく楽しめる。

 

監督・製作スタッフ・役者とみんなギラギラした熱気が画面から伝わってくる。
菅原文太の鬼気迫る演技は目を見張ります。
そんな『仁義なき戦い』のあらすじと感想をご紹介します。

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『仁義なき戦い』あらすじ

予告動画はこちらになります。 ↓ ↓ ↓ ↓


ドラマの発端は終戦直後の広島県呉市。
復員兵の広能昌三(菅原文太)は、闇市で刀を振り回す男を射殺してしまう。

 

刑務所に収監され、その中で土井組の若頭・若杉寛(梅宮辰夫)と知り合い、兄弟の契りを結ぶ。
若杉の口ききで、山守組の山守義雄(金子信雄)に保釈金を出してもらい出所する。
広能は山守組の一員となる。

 

呉市には山守組と土井組と二つの組織がかろうじて揉め事をすることなく保っていたが、大久保(内田朝雄)の思惑により、市会議員選挙を巡って山守組は上田組と手を結び、ついに衝突。

 

土居組では若杉が組長の土居(名和宏)に楯突いたことから破門されてしまい、広能を通じて山守組に加入する。

 

土居殺害計画は一気に運ばれ、広能が自ら土居を襲撃。
広能の逃走の手引きを山守は土居組に寝返った神原(川地民夫)に任せる。
その逃走中に広能は命を狙われる。

 

逃げ切った広能であるが、警察に捕まり、再び刑務所行となる。
若杉は山守が広能に対する態度に不信感を感じ、広能をはめた神原を殺害し、翌朝高飛びをする為に潜伏したいたところを警官に取り押さえられ、非業の死を遂げる。

 

この間、着々と勢力を伸ばし山守組は呉を代表する大組織となる。
しかしそんな中、主流派の坂井鉄也(松方弘樹)と反主流派の有田俊雄(渡瀬恒彦)の二つの派閥が生まれ、内戦が始まっていた。

 

有田は坂井の兄弟分である上田(伊吹五郎)を殺害し、激怒した坂井も報復に出て、抗争事件に発展する。

 

有田は警察に逮捕され、勝ち残った坂井は海渡組と手を結び、山守を出し抜いて呉を支配するかの勢いをつけた。

 

今まで静観していた山守の巻き返しが始まる。
講和条約の恩赦で広能が仮釈放されることとなり、山守は彼に接近して坂井の暗殺をうながす。

 

山守の魂胆を見抜いている広能は微妙な立場に立たされる。
広能はかつての仲間である山方の家で、坂井と出会う。

 

広能は山守から暗殺を持ち掛けられたことを話し、坂井を説得するが、山守を強制的に引退させ、敵対する矢野を殺害する。

 

山守は殺気立った矢野の子分をけしかけて、坂井を襲撃させる。
坂井は血だるまになるまで銃撃を受けた。

 

翌日、坂井の葬儀が盛大に行われた。
坂井の空しさと怒りを抱きながら、拳銃を供物に向かって発砲し、山守の前を去っていった。

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『仁義なき戦い』感想①:群像劇

画面に出没する登場人物たちのギラギラ感が凄まじい。
全編エネルギーの塊が充満して息苦しくもある。

 

怒号渦巻く欲望の群像劇として繰り広げられている。
リアリティー溢れる広島弁が、生々しさをより一層引き出して、迫力満点。

 

謀略シーンの会話はその後の展開に繋がり、登場人物同様に油断ができない。
情勢はめまぐるしく変化し、敵味方が入り乱れ、全編クライマックスの連続。

 

主人公の広能は恩義を受けた筋を通そうと苦悩するが、彼を決して美化して描いていない。
茫洋としていて、何処か掴みどころがないが、ラストに向けて存在感が増してくる。
裏切りと激しさが爆発する葬儀のシーンは圧巻。


出典:https://movie.walkerplus.com/mv28698/

『仁義なき戦い』感想②:山守義雄

この『仁義なき戦い』の真の中心人物は、自分の保身の為に、あらゆる策謀の手段を使って生き延び、肥え太っていく山守義雄。

 

ケチで短気で見栄っ張りの性格。
それでいて小心者でセコイ。

 

山守のセコさが全ての抗争の引き金になり、広能を含めかかわった人物が彼によって踊らされ、血みどろの殺し合いを展開する。

 

例えば、男気あふれる広能は、山守に利用されているとわかっていながらもあえて組織のために敵対組織の人間を襲撃するというもの。

 

この広能にお願いする山守演じる金子信雄の演技といったらもう最高!!
さらには、子分たちの内紛すら自らの保身のために利用したりする様は、狡猾で憎たらしいながらも圧倒的な存在感が際立っている。

『仁義なき戦い』感想③:時代設定

この映画は背景となった時代設定が大きい。
終戦直後の混乱期に溢れていた猥雑な雰囲気が、暴力団抗争という設定を巧みに生かされていますね。

 

敗戦後日本が時代と共に変化していく過程が、山守組の歩みとリンクされて描き出されている。
敗戦によって、それまでの価値観が崩壊した日本の支配体制が20年近く経つとまた復古調の波によって登場し始まることに、戦争体験した深作監督にとっては、とても腹が立って仕方がなかったとのこと。

 

この『仁義なき戦い』は古い価値観の大人たちに翻弄されてしまう若者たちのドラマであり、そのような怒りの矛先がどうにもならないことに対する自暴自棄みたいなものを感じる。

『仁義なき戦い』感想④:撮影方法

『仁義なき戦い』を語るうえで外すことが出来ないのが、手ブレ撮影。
新しい映画を作ってやるんだという姿勢が出てますよね。

 

カメラは手持ちで、俳優の動きを規制しないで動きに合わせてカメラが付いていく。
作風がドキュメントタッチということもあって、夜間のシーンでもほとんどライトを当てていないんですよ。

 

徹底的に本物らしさにこだわっていて、例えば、広能が土居組から雨の中を逃げ回るところは、臨場感が半端ない。
時々芝居に見えなくなってしまう程。

まとめ

混沌とした闇市で、梅宮辰夫が日本刀で、伊吹五郎の腕をブッた斬る凄まじい場面からのスタートにもう釘付け。

 

次から次へと畳み込むようなストーリー展開。
あらためて、この映画の持つ、パワーと迫力に驚かされます。

 

内容は全体的に重く陰惨で、救いようがない話ながら、不思議と見終わると爽快感を味わうことができるんです。

 

暴力によるエグいシーンが多いが、殺される側の痛みが画面から伝わってくる。

 

今の日本映画も企画力とスピードで勝負して数打って当てていけば、マンガの原作やテレビドラマの映画化に頼らずに、もっと面白い作品が生まれてくる気がする。

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