SFホラーの最高傑作。
恐怖ばかりか視覚の点でもドキッとさせる魅惑に満ちた作品。
私と『エイリアン』の最初の出会いはテレビ放送でした。
それ以来ずっと『エイリアン』のファンです。
『ブレード・ランナー』と同様に、CGでは出せない実写の良さがあり、斬新な映像を見るのも楽しみのひとつ。
リドリー・スコット監督のSF作品は、いつも斬新な映像を期待して観てしまうんですよね。
そんな『エイリアン』のあらすじ・感想をご紹介します。
『エイリアン』あらすじ
惑星から資源を持ち帰ることを目的としている宇宙貨物船ノストロモ号。
7人の乗組員が長期睡眠から目覚めたところ、ノストロモ号を制御するAI「マザー」が未知の物体からの発信を受け、進路をその発信源である惑星へ変更された。
船長のダラスは、会社からの雇用契約書に記載されている、未知の物体からの受信を受けた場合調査にあたることも契約のひとつであると主張し、乗務員たちは了承する。
惑星に着陸し、ダラス、航海士ケイン、操縦士ランバートの3人が下船した。
しばらく進むと謎の宇宙船を発見し3人は中に入る。
調査を進めていると大きな穴があることを発見。
ケインが穴に降りると、巨大な卵のような物体が並んでいる。
ケインが覗き込もうとした瞬間、卵の中から何かが飛び出し、宇宙ヘルメット越しに彼の顔に付着してしまう。
その頃、船に残った航海士のリプリー(シガニー・ウィーバー)が「マザー」から送られた受信を解析したところ、それは遭難信号ではなく、何かの警告であることが判明した。
ダラスとランバートはケインを船内に連れ帰り、カニのようなその異様な生物を科学者アッシュが取り除こうとすると、黄色い分泌液が飛び散り床を溶かす。
その後、その生物は自然にケインの顔から剥がれ落ちて死んだ
意識が回復したケインが食事をしている時、突然腹痛を訴える。
腹のあたりが盛り上げり、腹を引き裂いて現れたのが、歯をむき出した異様な生物。
これがエイリアン。
ケインの死体を宇宙に葬った後、全員で船内に潜むエイリアンの捜査にあたる。
猫を追っていた機関長ブレットの背後には、変形して巨大化したエイリアンが潜んでいて、ブレットの顔を粉々に砕いた。
ダラスが火焔放射器を抱えて通気口に潜むエイリアンを追い詰めるが、ダラスも殺されてしまう。
リプリーは、エイリアンの弱点を探るべく「マザー」に問いかけるが、科学者アッシュのみ閲覧可能と拒否される。
パスワードを解除し確認した結果、会社がアッシュ以外の乗務員には目的を伝えていなかった。
その目的は、「エイリアンの捕獲と回収」を最重要とし、「乗組員の命が犠牲もやむを得ない」と「マザー」に組み込んでいた。
その事実を知り、アッシュに怒りをぶつける。
開き直ったアッシュは、プリーに襲い掛かり殺害しようとするが、間一髪駆けつけたパーカーに助けられる。
アッシュは、会社が監視目的で作ったアンドロイドであった。
残った3人は小型シャトルに乗って脱出を計るが、パーカーとランバートもエイリアンに殺害される。
リプリーがシャトルにやっとの思いで乗り移り、ノストロモ号を切り離して爆発させ、一息ついたその時、エイリアンが潜んでいることを発見する。
冷静になって考え、ハッチの開閉スイッチをひねり、気圧の勢いでエイリアンを船外へ吹き飛ばす。
予告動画はこちら
『エイリアン』感想①:リプリー
リプリーは、それまでの映画のヒロインとは違い、自己主張をする女性として描かれたことが大きい。
男性乗務員に対しても躊躇せずに意見を言い、1人で困難に立ち向かう強い女性を強調しているのが伺える。
同じ時期の『スターウォーズ』の場合、レイア姫を助けることが主人公の目的であったのに対し、男性に寄り添うことなく自ら闘うのは、新しいスタイルで、この『エイリアン』がのちに続く先駆的な作品といえる。
そんなドライな女の印象が強いリパーですが、小型シャトルで脱出し、安心していたところ
エイリアンを見つけ、自分を落ち着かせるために「私のお星様、私の幸運のお星様」と震えながら歌う仕草が妙に可愛かった。
エイリアンを退治し、猫のジョーンズに話しかけるときは、もとのドライな女の声に戻り、この対比が面白い。
『エイリアン』感想②:演出とデザイン
リドリー・スコット監督の映像造形を引き立たせたのも
デザインを担当したスイスの有名な画家 H.R. ギーガーの功績が大きい。
なんといってもあのエイリアンの毒々しさは斬新です。
昆虫のように複雑な形態でグロテスク。
ケインのお腹を引き裂いて、現れた姿を始めて見た時の衝撃は半端なかった。
また、エイリアンのハッキリとした姿を見せない演出、音楽効果が観る者の恐怖心を煽る。
個人的には、ノストロモ号の爆破は、今まで見たことのない光と音が合わさった大迫力の
映像は、とても好きですね。
まとめ
1979年公開とあって、ノストロモ号のAIにあたる『マザー』も古臭いと感じる部分は確かにある。
それ以外は、今でも充分通じるなと実感。
人間は恐怖や生命の危機に陥ると本性が現れ、一人一人の性格ををよく描いている。
ホントにSF映画の教科書といった感じ。
現在も第一線でSF映画を撮り続けているリドリー・スコット監督はやっぱりすごい。
『スターウォーズ』とともにSFもののジャンルを変えた秀作といえます。
どちらもシリーズが長期化し、作品の世界観も広がり、ファンとしては嬉しい限りです。
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出典:http://alienisolation.sega.jp/special_conceptart.html