映画『キル・ビル』タランティーノ監督の趣味が全開




タランティーノ監督の趣味が全開した作品。
とにかくここまで何もかもハチャメチャにしてしまう荒唐無稽な設定。

 

元々クセのある映画を撮りますが、『キル・ビル』に関しては、更にアクの強い作品で、好き嫌いがはっきりと分かれます。

 

私は個人的に日本で昔多く作られたB級映画やブルース・リーを含めた香港映画が大好きで、タランティーノ監督が本作で、リスペクトしているのが、本当にたまらないんですよね。
そんなマニアック度合いの強い『キル・ビル』に関してご紹介していきます。

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『キル・ビル』感想①:ストーリ

ストーリーの複雑さ、奇抜さは皆無。
とてもシンプルで単純明快。

 

タイトル通りまさに、ビルを殺すことが目的。
この目的を達成するために、彼の刺客を殺しながら旅をする主人公。

 

彼女を動かす原動力は、娘を殺されたことへの復讐心。
目的のためならどんなことをしてでも決して死なないし、死ねない。
復讐における手段はいつの時代においても暴力を抜きには語れない。

 

内容をどのように描くかよりもどのように伝えるか。
暴力描写を緩和しているのは、間違いなくダサいけどカッコいいという世界観とユーモアがあるから。

 

例えば、モロばれのワイヤーアクションやいくら斬っても切れ味の衰えることがない日本刀。
誰の目から見てもフィクションだとわかる非現実性、もしくはダサさ。

 

これらの要素が、本作のマンガっぽさを下地に支えるものであり、復讐というものをわかりやすく明確にした。

 

一般常識ではばかれる暴力をいかに娯楽として提供できるか、その方法論として『キル・ビル』は見事エンターテイメントに仕上げた。

 

予告動画はこちら

『キル・ビル』感想②:構成

『キル・ビル』は、2部構成になっており、『Vol.1』が動、『Vol.2』が静と対照的で、両方を見て始めて物語がひとつになります。

 

『Vol.1』を単なるドタバタ映画として評価する人がいる。
個人的には、一言で言って、痛快な傑作であり、本当に魅了されてしまった。

 

過激な描写満載の青葉屋でのバトルは、現実感からのあまりにもかけ離れていることからマンガを見ている感覚で、逆に痛快さを感じた。

 

リアリティーに乏しいからこそ、殺伐としたシーンも楽しめるように演出されているのだと感じる。
『パルプ・フィクション』で使った時間をこえた断片を繋ぎわせた構成がうまく組み立てており秀逸。

 

一方で『Vol.2』を『Vol.1』と同じような派手なバトルシーンがないことから、つまらないという人がいる。

 

私も劇場で見た時は、期待していたものと大きくかけ離れた内容に愕然とした。
再度、『Vol.1』から通しで鑑賞し、評価が変った。

 

『キル・ビル』は数ある続編の類でなく、『Vol.1』と『Vol.2』で1つの映画だからである。
これは、単純にストーリーが継続していているという理由ではなく、物語の構成で最も重要視される起承転結が2本にブツ切りされているからなんです。

 

普通の映画だと、前半部分で派手なアクションで物語を引き込ませ、後半部分で核心に迫り、クライマックスで畳み込む流れが一般的。

 

しかし、この『キル・ビル』の場合状況が違う。
Vol.1が前半部分にあたり、Vol.2が後半部分にあたる。
2本が合わさることで、はじめて一つの作品となる。

 

『キル・ビル』は、当初の予定より、エピソードのボリュームが増えたことにより、2本に分かれたという経緯を聞いたことがある。

 

そのように捉えるとvol.2の地味な展開にも納得いきますよね。
ブライドがなぜ、ビルに殺されかけたとか、ビルとブライドの関係とかVol.1では語られなかった部分がわかり、愛情の物語ってオチが、タランティーノ監督のしたたかな才能をすごく感じる。

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『キル・ビル』感想③:日本映画へのリスペクト

タランティーノ監督は、かなり日本のB級映画に造詣が深いアメリカ人として有名ですが、そのへんの日本人より、マニアックな映画をよく知っている。

服部半蔵演じる千葉真一の空手映画や深作欣二監督の『仁義なき戦い』なんかを入れ込んで見たんだろうなぁ。

 

役名の服部半蔵も『影の軍団』からきていることから千葉真一を敬愛していることがよくわかる。
これでもかと血が吹き出す派手な殺陣は、若山富三郎主演の『子連れ狼』シリーズからくるもので、本当に私と趣味趣向があう。

 

日本のアニメへのこだわりもあり、オーレン石井のアニメのクオリティの高さは、ただならぬ関心を持っていると感じる。


出典:https://allabout.co.jp/gm/gc/206146/all/

まとめ

『キル・ビル』は間違いなく、タランティーノ監督の集大成といえる作品だと思う。
なので、まず彼の監督作品を何作か必ず見ることをおススメします。

 

ストーリーもツッコミどころ満載で、バカらしく感じるのもわからなくはない。
あくまでもフィクションとして楽しめるかどうか。
一度、このスタイルにはまると抜け出せなくなると言っても過言ではない。

 

『Vol.2』から10年後の世界を描く『Vol.3』が制作準備に入ったとか真相は何とも言えないが、確かに伏線の回収として、母親が殺害された状況を見た少女ニッキとユマ・サーマン演じるブライドの闘いは、物語の決着として、大変興味があり、見たい気もするが、正直微妙なところ。
ユマ・サーマンが40代後半であることから現実問題として難しいと思う。

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